※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
オー・ルーシー!
(OH LUCY!)
作品データ
2017年|日本・アメリカ|コメディ・ドラマ
監督:平柳温子
出演:寺島しのぶ, 南果歩, 忽那汐里, 役所広司, ジョシュ・ハートネット ほか
孤独な会社員が、英語と恋にしがみついて世界を飛び出す話
東京で静かに暮らしていた中年女性が、英会話教室で出会った先生に心を奪われる。
英語を話す自分、別の名前の自分、別の人生。
その全部に手を伸ばした結果、現実と幻想の境目がぐらついていく話。
ざっくり時系列
・節子が姪の代わりに英会話教室へ行く
↓
・英語教師ジョンと出会い、ルーシーになる
↓
・ジョンが突然いなくなる
↓
・姪の美香がアメリカに渡ったと知る
↓
・節子と妹がロサンゼルスへ向かう
↓
・ジョンと再会し、関係が壊れていく
↓
・すべてを失い、日本に戻る
↓
・節子が自分の孤独と向き合う
物語の主要人物
・川島節子/ルーシー(寺島しのぶ)
東京で孤独に暮らす会社員。英語教室で別の自分を演じ始める。
・川島綾子(南果歩)
節子の妹。現実的で、節子と長年わだかまりがある。
・小川美香(忽那汐里)
節子の姪。ジョンと親しくなり、物語を動かす存在。
・ジョン・ウッドラフ(ジョシュ・ハートネット)
東京の英語教師。節子にとって幻想の象徴。
・小森武志/トム(役所広司)
英会話教室の生徒。節子の現実側にいる人物。
英語を話すときだけ、別の自分になれる
節子は職場でも家庭でも、ほとんど存在感がない。
英会話教室で「ルーシー」と呼ばれ、抱きしめられた瞬間、世界が少しだけ変わる。
英語を話すときだけ、明るくて自由な自分になれる気がしてしまう。
消えた先生と、追いかけた先のアメリカ
ジョンが突然いなくなり、姪が彼と関係を持っていたことを知る。
衝動的にロサンゼルスへ向かう節子。
そこには、想像していた理想の恋も、救いもなかった。
関係は崩れ、嫉妬と依存だけが残っていく。
全部失ったあとに残るもの
日本に戻った節子は、仕事も気力も失う。
追い詰められた先で救ったのは、恋ではなく、同じように傷を抱えた他人だった。
誰かになろうとして失敗したあと、自分として生き直すしかない現実が残る。
この映画のポイント
・英語=別人格という発想
・中年女性の孤独を正面から描く
・恋愛が救いにならない構造
・日常と異国のギャップ
・笑える場面と痛さが同時に来る
たぶんこんな映画
観ていて気まずくなる瞬間が何度もある。
でもその居心地の悪さが、この映画の核心。
誰かになりたかった人の、ちょっと遅めの青春映画。

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