※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
死の谷間
(Z for Zachariah)
作品データ
2015年|アメリカ|終末SF
監督:クレイグ・ゾベル
出演:マーゴット・ロビー, キウェテル・イジョフォー, クリス・パイン ほか
生き残った3人が静かな谷で関係を壊していく話
核戦争後、外界から隔離された谷で一人暮らしていたアンの前に、男が現れる。さらにもう一人が加わり、希望だったはずの共同生活は、少しずつ緊張と不信に染まっていく。文明を取り戻す試みと感情のもつれが重なり、誰もはっきりした答えを出せないまま、関係だけが変質していく。
ざっくり時系列
核戦争後、アンが谷で一人暮らし
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生存者ジョンと出会い、共同生活が始まる
↓
農作業と発電計画で距離が縮まる
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宗教観や価値観の違いが表面化
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3人目の生存者ケイレブが現れる
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3人での生活が始まり、緊張が高まる
↓
発電用の水車建設を巡って関係が崩れる
↓
谷に残された選択と沈黙が残る
物語の主要人物
・アン・バーデン(マーゴット・ロビー)
谷で生き延びていた女性。信仰と現実の間で揺れる。
・ジョン・ルーミス(キウェテル・イジョフォー)
エンジニアを名乗る生存者。理性と感情の板挟みに遭う。
・ケイレブ(クリス・パイン)
後から現れた生存者。アンとの距離を急速に縮める。
たった一人の世界に他人が入り込む
アンは放射能から守られた谷で、農業をしながら静かに暮らしていた。そこへ現れたジョンは、文明の知識を持ち込み、生活を便利にしていく存在になる。二人の関係は穏やかだが、信仰や価値観の違いが、少しずつ引っかかりとして残っていく。
希望としての文明と、人間関係のズレ
発電や農作業が進む一方で、二人の距離は微妙にずれていく。そこへ現れたケイレブの存在が、均衡を一気に崩す。3人で生き延びるという現実は、協力と同時に疑念と競争も連れてくる。
選ばれなかった言葉と残された沈黙
水車建設という未来への希望の中で、感情はすれ違い、決定的な出来事が起こる。誰も真実をすべて語らないまま、谷には電気が灯り、関係だけが元に戻らない形で固定されていく。
この映画のポイント
終末世界なのに静かで生活感の強い描写
技術と信仰、理性と感情の衝突
少人数だからこそ生まれる緊張
答えを提示しないラストの余韻
たぶんこんな映画
派手な崩壊やアクションはほとんどなく、じわじわ効いてくるタイプ。観ている間ずっと空気が重くて、終わったあとも谷の沈黙が頭に残る、そんな映画。

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