ラスベガスをやっつけろ

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ラスベガスをやっつけろ
(Fear and Loathing in Las Vegas)

作品データ
1998年|アメリカ|ドラマ/コメディ
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョニー・デップ、ベニチオ・デル・トロ、クリスティーナ・リッチ ほか

取材に行ったはずが、正気を置き忘れる話

仕事の名目でラスベガスに向かった男が、現実と幻覚の境目を見失いながら突っ走っていく話。

ざっくり全体要約

ジャーナリストのデュークと弁護士のゴンゾは、砂漠を越えてラスベガスへ向かう。表向きはレース取材や会議参加が目的だけど、実際は大量の薬物と酒を積み込み、まともな状態を保てないまま街に突入する。ホテル、カジノ、街のあちこちで幻覚や妄想が入り混じり、何をしているのか分からない時間が積み重なっていく。目的はどんどん曖昧になり、残るのは混乱と不安と、妙に鋭い観察だけになっていく。

正気を保とうとしていない主人公

デュークは、一応語り手だけど、冷静とは言いにくい。状況を記録しようとはしているものの、自分自身が完全に渦中にいる。理性的な視点があるようで、すぐに崩れる。その不安定さが、見えている世界そのものを信用できなくしていく。

砂漠の先にある狂った街

舞台のラスベガスは、派手で明るくて、何でも許されそうな場所。でもその裏側には、空虚さや暴力性が見え隠れしている。カジノもホテルも、安心できる空間にはならず、むしろ幻覚を増幅させる装置みたいに機能していく。

制御不能な相棒ゴンゾ

ゴンゾは衝動のかたまりみたいな存在で、危険な行動を次々に選ぶ。理屈より感情、判断より勢い。その存在がデュークを引っ張り回し、状況をさらに悪化させていく。一緒にいると何かが起きるけど、良い方向に行く保証はまったくない。

現実が崩れていく体験

時間の流れや因果関係があいまいになり、出来事が断片的に重なっていく。笑える場面と不快な場面が混ざり合い、どこまでが冗談で、どこからが危険なのか分からなくなる。その感覚が、映像と音でそのまま押し付けられる。

何も解決しないまま離脱する終わり

旅の終わりに、はっきりした結論や成長が用意されているわけではない。ただ、何かをやり過ごしたような疲労感と、妙に冷めた視点だけが残る。逃げ切ったとも、達成したとも言い切れない形で、物語は区切られる。

この映画のポイントなに?

物語を理解するより、体験することに重きが置かれているところが特徴。幻覚的な映像、過剰な演出、不安定な語りが全部重なって、観る側の感覚を揺さぶってくる。まともさを基準にすると置いていかれやすい。

たぶんこんな映画

意味を探すより、振り回される覚悟で観たほうがしっくりくるかもしれない。楽しいと不快が隣り合っていて、どっちとも言い切れない感触が残る。観終わったあと、あれは何だったんだろう、と少し呆然とする映画っぽい。

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