※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
耳に残るは君の歌声
(The Man Who Cried)
作品データ
2000年|イギリス・フランス|ドラマ/ロマンス
監督:サリー・ポッター
出演:クリスティナ・リッチ、ジョニー・デップ、ケイト・ブランシェット、ジョン・トゥルトゥーロ ほか
歌声を手がかりに世界をさまよう話
ひとりの少女が父の歌声を心の奥に残したまま、国を越えて生き延びていく流れ。恋とか音楽とか民族とか、いろんな要素が静かに絡み合いながら進んでいく。
ざっくり全体要約
ロシアの小さな村で父と暮らしていた少女スージーは、戦争と迫害の影響でひとりで旅に出ることになる。ロンドン、パリと場所を移しながら、仕立屋として働き、音楽家や芸術家たちと出会っていく。その中で、ジプシー音楽を奏でる男と強く惹かれ合うけど、時代は少しずつ不穏な方向へ傾いていく。生きるための選択と、心が向かう先が、何度もすれ違いながら物語は進む。
父の歌を忘れられない主人公たち
スージーは、多くを語らないけど内側に強い感情を抱えている感じ。幼い頃に聞いた父の歌が、判断の基準みたいになっている。一方で、彼女を取り巻く人たちはそれぞれ違う価値観を持っていて、愛し方も生き方もバラバラ。その差が会話や沈黙からじわっと伝わってくる。
国と街を渡り歩く静かな移動の連続
物語はロシアから始まって、ロンドン、パリへと進む。どの街も華やかさより、どこか落ち着かない空気がある。場所が変わるたびに、スージーの立場や守るものも少しずつ変わっていく。
音楽と恋が交差していく時間
ジプシー音楽の演奏シーンが何度か出てきて、それが人と人を近づけるきっかけになっている。言葉が通じなくても、音楽だけは共有できる、そんな瞬間がある一方で、外の世界では差別や不安が確実に強まっていく。
選択の積み重ねが行き着く先
物語の後半では、愛情よりも生き延びることが優先される場面が増えてくる。誰かと一緒にいることが、必ずしも安全じゃない状況で、スージーは現実的な選択を重ねていく。その結果は穏やかとも残酷とも言い切れない形で落ち着く。
この映画のポイントなに?
台詞よりも、表情や音楽で語る場面が多いところ。派手な展開より、時代の空気や感情の揺れをじっくり見せる作りになっている。
たぶんこんな映画
大きな事件が次々起こるというより、静かな流れの中で心が動いていく作品。観終わったあと、特定の場面よりも、歌や音の余韻がふと残る感じが近いかも。

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