※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ナインスゲート
(The Ninth Gate)
作品データ
1999年|フランス/スペイン|ミステリー/スリラー
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジョニー・デップ、フランク・ランジェラ、レナ・オリン ほか
呪われた本を探して世界をうろつく話
怪しげな依頼を受けた古書ディーラーが、悪魔絡みの本を追ってヨーロッパをさまよう話。
ざっくり全体要約
古書ディーラーのディーンは、あるコレクターから「悪魔を召喚できる」と噂される希少な本の真贋調査を依頼される。その本は世界に三冊しかなく、それぞれ微妙に違いがあるらしい。ディーンは本を持つ人々を訪ねて各地を巡るが、その途中で関係者が次々と不審な死を遂げていく。調査を続けるほど、単なる古書の仕事では済まない領域に足を踏み入れていく。
皮肉屋で現実主義な古書ディーラー
ディーンは、オカルトに興味があるわけではなく、仕事として淡々と動くタイプ。金になればやるし、危険そうでも深入りしすぎないつもりでいる。でも完全に割り切れているわけでもなく、状況に流される形で調査を続けてしまう。その中途半端さが、トラブルを呼び寄せている感じもある。
ヨーロッパを巡る怪しい古書の世界
舞台は古書店や古い屋敷、薄暗い街並み。知識と金と執着が渦巻く世界で、誰もが本に対して異様な思い入れを持っている。静かな場所ばかりなのに、どこか落ち着かない空気が続く。ページをめくる行為そのものが、危険に近づいている感覚を生む。
謎めいた女の同行
旅の途中、ディーンは正体不明の女と行動を共にするようになる。味方なのか、監視役なのか、目的も立場もはっきりしない存在。助けてくれるようにも見えるし、突き放しているようにも見える。その距離感が、物語全体をより曖昧にしていく。
本の違いが示すもの
三冊の本にある細かな違いが、調査の核心になっていく。挿絵、文字、配置、その一つ一つに意味があるらしいと分かってくるにつれ、知識そのものが力を持っている世界観が前に出てくる。理解が進むほど、安全からは遠ざかっていく。
たどり着く儀式の場所
物語の終盤、ディーンはある結論に近づき、最後の場所へ向かう。そこでは、今まで積み上げてきた情報が一つにつながるけど、答えがすべて明示されるわけではない。達成感というより、取り返しのつかなさが残る終わり方になっている。
この映画のポイントなに?
派手な演出より、静かな不気味さがずっと続くところが特徴。本や知識、信仰に取り憑かれた人間たちの姿が、じわじわ効いてくる。説明されない部分が多く、解釈の余地がかなり残されている。
たぶんこんな映画
スッキリ理解したい人より、モヤっとした余韻を楽しめる人向けかもしれない。観終わったあと、あの場面は何だったんだろう、と考え続けてしまう感じ。本をめくる手が少しだけ慎重になる、そんな映画っぽい。

コメント