ロスト・ハイウェイ

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ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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ロスト・ハイウェイ
(原題:Lost Highway)

作品データ
1997年|アメリカ・フランス|サスペンス・ミステリー
監督:デヴィッド・リンチ
出演:ビル・プルマン、パトリシア・アークエット、バルサザール・ゲティ、ロバート・ロッジア ほか

人が入れ替わり、現実が歪み続ける夜道を走り抜ける話

ジャズ・ミュージシャンのフレッドの周囲で起こる不可解な出来事は、やがて彼自身の存在を揺るがしていく。
謎のビデオテープ、正体不明の男、記憶の断絶。
気づけば物語は、同じ世界なのに別の人生へとすり替わり、出口の見えない一本道を走り続けることになる。

登場人物

・フレッド・マディソン
ジャズ・ミュージシャン。静かな生活の中で、奇妙な出来事に巻き込まれていく。

・レネィ・マディソン/アリス
フレッドの妻、そして別の人生で現れる女性。同じ顔をしているが、雰囲気はまるで違う。

・ピーター・デイトン
突然現れる若い男。フレッドとは別人だが、どこかつながりを感じさせる存在。

・ミステリー・マン
白塗りの謎の男。現実と非現実の境目に立っているような存在。

・ミスター・エディ/ディック・ロラント
裏社会の男。物語の暴力性と不穏さを一気に引き上げる。

きっかけは、意味の分からない一言から

ある朝、フレッドはインターホン越しに「ディック・ロラントは死んだ」と告げられる。
誰が言ったのかも分からず、理由も説明されない。
それを境に、フレッドの日常には小さな歪みが入り込み始める。

家の中を覗く、正体不明のビデオテープ

玄関先に置かれたビデオテープには、自分たちの家が映っている。
次に届いたテープでは、家の内部を進み、寝室で眠る2人の姿まで記録されていた。
誰が、いつ、どうやって撮ったのか。
家という最も安全な場所が、すでに侵されていることだけがはっきりする。

パーティーで出会う、ありえない存在

ある夜のパーティーで、フレッドは白塗りの男に声をかけられる。
その男は、まるで当然のように「あなたの家にいる」と言い放つ。
そして、目の前に立っているはずの男の声が、電話口からも聞こえてくる。
現実のルールが、静かに壊れる瞬間だ。

気づけば、別の人生が始まっている

物語はある地点を越え、フレッドではない若い男ピーターの人生へと移行する。
同じ顔の女性、同じような暴力、同じ影。
別人のはずなのに、同じ悪夢をなぞっている感覚だけが残る。
何が真実で、何が逃避なのか、その境界は曖昧になっていく。

この映画のポイント

・記憶と人格がすり替わる構造
・説明されない出来事を積み重ねる演出
・現実と幻想が混ざり合う感覚
・論理より感情と不安を優先する語り口

たぶんこんな映画

分かった気になろうとすると、余計に迷子になる。
筋を追うより、漂う不安や違和感をそのまま浴びるタイプ。
観終わったあと、しばらく頭の中で同じ道をぐるぐる走り続けてしまう、そんな一本。

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