16歳の合衆国

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ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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16歳の合衆国
(The United States of Leland)

作品データ
2003年|アメリカ合衆国|ドラマ
監督:マシュー・ライアン・ホーグ
出演:ライアン・ゴズリング、ドン・チードル、ケヴィン・スペイシー ほか


誰にも説明できないことを抱えたまま大人になれなかった話

16歳の少年が起こした取り返しのつかない事件をきっかけに、周囲の大人たちが彼を「理解しよう」とし続ける話。理由を言葉にできないまま、気持ちだけが置き去りになっていく。

主要人物

・リーランド・P・フィッツジェラルド(ライアン・ゴズリング)
 16歳の少年。知的障害のある少年を殺害し、矯正施設に送られる。

・パール・マディソン(ドン・チードル)
 矯正施設の教師。作家志望で、リーランドに強い関心を持つ。

・ベッキー・ポラード(ジェナ・マローン)
 リーランドの恋人。薬物依存を抱えている。

・アレン・ハリス(クリス・クライン)
 ポラード家に居候する青年。事件後、感情を制御できなくなっていく。

・アルバート・T・フィッツジェラルド(ケヴィン・スペイシー)
 リーランドの父親。有名作家で、息子とは距離のある存在。

取り返しのつかない事件から始まる

16歳のリーランドは、恋人ベッキーの弟であるライアンを殺害したとして逮捕され、矯正施設に収容される。
彼は落ち着いていて聡明だが、事件の動機については一切語ろうとしない。
周囲は理由を知りたがるが、リーランド自身もそれを言葉にできずにいた。

理解しようとする大人の視線

施設で担任となった教師パールは、リーランドの知性と静けさに興味を抱く。
作家を目指す彼は、リーランドを題材に本を書こうと考え、規則に反しながらも個人的な対話を重ねていく。
リーランドは少しずつ、恋人ベッキーとの関係や、有名作家である父の存在について語り始めるが、肝心の殺害理由には触れない。

周囲でも壊れていく日常

一方、殺されたライアンの家族も静かに変わっていく。
姉ジュリーの恋人アレンは、別れを告げられたことで自暴自棄になり、強盗事件を起こして逮捕される。
町に残された人々も、それぞれが喪失感を抱えたまま、うまく前に進めずにいる。

語られない理由と突然の終わり

パールがリーランドとの個人的な接触を問題視され、担任を外されると、リーランドは自分の思いをノートに書き残す。
しかしある日、施設内でのトラブルにより、リーランドは突然命を落とす。
彼のノートに記された独白によって、ライアンに対して抱いていた感情の一端が示されるが、明確な答えは語られないまま物語は進む。

この映画のポイント

事件そのものよりも、「なぜ理由が必要とされるのか」を描いているところ。
大人たちは理解しようとするが、その行為自体がどこか自己中心的でもある。
説明できない感情が、最後まで説明されないまま残される構成が特徴。

たぶんこんな映画

静かで、重たい空気が続く。
感情をはっきり言葉にしない場面が多く、観ている側が考える余白が大きい。
観終わったあとも、答えより問いの方が頭に残るタイプの映画。

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