※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
カウントダウンZERO
(Countdown to Zero)
作品データ
2010年|アメリカ合衆国|ドキュメンタリー
監督:ルーシー・ウォーカー
出演:バラク・オバマ、ジミー・カーター、トニー・ブレア ほか
ナレーション:ゲイリー・オールドマン
核兵器が「いつか」じゃなく「いつでも」世界を終わらせうる話
世界に存在する数万発の核兵器が、今この瞬間も事故・誤算・狂気ひとつで使われる可能性がある、という現実を真正面から突きつけるドキュメンタリー。冷戦が終わったから安全になったわけではなく、むしろ管理が緩み、危険は身近になっている。そんな状況を、当事者たちの言葉で積み上げていく話。
物語の主要人物
・バラク・オバマ
アメリカ合衆国大統領として核廃絶を語る
・ジミー・カーター
元アメリカ大統領として核問題を振り返る
・トニー・ブレア
元イギリス首相として国際政治の現場を語る
・ミハイル・ゴルバチョフ
冷戦終結を経験した元ソ連指導者
・パルヴェーズ・ムシャラフ
核を保有する国家の元指導者
ケネディの言葉から始まる問い
映画は、1961年にジョン・F・ケネディが国連で行った演説を軸に進んでいく。人類は核という剣の下で暮らしており、それは事故や誤算でいつ落ちてもおかしくない。半世紀以上前の言葉なのに、今聞いても古くならない。その違和感が、映画全体の出発点になっている。
冷戦が終わっても、核は消えていない
冷戦構造が崩壊し、核の緊張は和らいだように見えた。しかし実際には、核兵器の数は依然として膨大で、管理体制も国によってばらつきがある。専門家たちは、意図的な使用よりも、事故や誤作動、テロによる流出の危険性が高まっていると指摘する。
「もしも」が現実になりかけた瞬間
映画では、核戦争が起きなかった理由が「賢明な判断」だけではなく、単なる偶然や個人の判断に救われてきた事例も語られる。レーダーの誤作動、誤った警報、判断までの数分間。世界は何度もギリギリのところで踏みとどまってきた。
廃絶は理想か、それとも現実か
各国の元首脳や専門家は、核兵器廃絶がなぜ必要なのか、そしてなぜ進まないのかを語る。抑止力という考え方、国際政治の不信、技術の拡散。問題は単純ではないが、それでも放置していい話ではないことが強調される。
この映画のポイント
感情に訴えるより、事実と証言を積み重ねて危険を浮かび上がらせる構成。派手な演出はなく、語られる内容そのものが重い。ナレーションも落ち着いていて、淡々とした語りが逆に怖さを増す。
たぶんこんな映画
観終わった後、世界のニュースの見え方が少し変わるタイプ。核兵器は遠い話じゃなく、ずっと頭上にある問題だと気づかされる。派手さはないけど、静かにカウントダウン音が聞こえてくるような一本。

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