※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

インディアン・ランナー
(The Indian Runner)
作品データ
1991年|アメリカ|ドラマ
監督:ショーン・ペン
出演:デヴィッド・モース、ヴィゴ・モーテンセン、チャールズ・ブロンソン、デニス・ホッパー ほか
真面目な兄が、壊れて帰ってきた弟を守り続ける話
ベトナムから帰還した弟は、もう以前の弟ではなかった。
警官として町の秩序を守る兄は、
理由もなく暴れ、誰かを傷つけてしまう弟を、それでも見捨てられない。
守る立場と、家族としての感情がぶつかり続ける、重くて逃げ場のない物語。
登場人物
・ジョー
ネブラスカ州のパトロール警官。真面目で責任感が強い兄。
・フランク
ベトナム帰還兵。心に深い傷を負い、衝動的な行動を繰り返す弟。
・マリア
フランクの恋人。彼の不安定さに巻き込まれていく。
・父
厳格な家庭の主。兄弟との関係も複雑。
・母
家族をつなぎ止めようとする存在。
戦争から帰ってきた弟
1968年のネブラスカ。
戦争を終えて帰ってきたフランクを、兄ジョーは迎え入れる。
だがフランクは、些細なことで怒りを爆発させ、
周囲に対しても自分自身に対しても、制御が効かなくなっていた。
町は静かでも、彼の内側はずっと戦場のままだった。
兄として、警官としての板挟み
ジョーは弟を見捨てず、何とか立て直そうとする。
だがフランクは暴力事件を起こし、
警官であるジョー自身が対応しなければならない場面も出てくる。
家族だから守りたい気持ちと、
法を守る立場としての責任が、何度も衝突する。
どうにもならない現実
更生させようとすればするほど、
フランクは追い詰められ、事態は悪化していく。
ジョーは弟のために線を越え続け、
それが自分自身を壊していくことにも気づいている。
最後まで、はっきりした救いは用意されない。
この映画のポイント
・戦争が終わっても終わらない傷
・兄弟という関係の残酷さ
・正しさが人を救わない瞬間
・ショーン・ペン初監督らしい硬派な視線
たぶんこんな映画
観ていて楽になる場面はほとんどない。
でも、目を逸らしたくなる瞬間ほど、この映画の核心に近い。
誰かを守ろうとすることが、
必ずしも正解にならない世界を、静かに突きつけてくる一本。

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