マージン・コール

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マージン・コール
(Margin Call)

作品データ
2011年|アメリカ|ドラマ
監督:J・C・チャンダー
出演:ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズ ほか


たった一晩で会社も信念も切り売りする話

巨大投資銀行で起きた異変が、わずか24時間のうちに雪崩のように広がっていく話。数字が示した「やばさ」を前に、人は何を守り、何を捨てるのか。市場が気づく前に動くかどうか、その選択だけが延々と突きつけられる。

主要人物

・サム・ロジャース(ケヴィン・スペイシー)
 トレーディング部門の責任者。現場と経営の板挟みに合う立場。

・ウィル・エマーソン(ポール・ベタニー)
 サムの上司。冷静に状況を整理し、決断を後押しする。

・ピーター・サリヴァン(ザカリー・クイント)
 若手アナリスト。USBのデータから致命的なリスクに気づく。

・エリック・デール(スタンリー・トゥッチ)
 リスク管理部門の責任者。大量解雇の中で意味深な言葉を残す。

・ジョン・チュルド(ジェレミー・アイアンズ)
 経営トップ。最終判断を下す人物。

USB一本から始まる最悪の夜

ウォール街の投資銀行で、非公表の大量解雇が行われる。
即日退去を命じられたエリックは、部下のピーターにUSBメモリーを渡し、「用心しろ」という言葉を残す。
その夜、ピーターが解析したデータは、会社が抱えるMBSが限界を超えたリスクを孕んでいることを示していた。
少しの価格変動で、会社は時価総額を超える損失を被る可能性がある。
つまり、もう逃げ場はほとんどない。

数字が示した答えはひとつだけ

事態を知ったウィルとサムは、深夜の緊急役員会を要請する。
経営陣が集まり、状況を理解した末に導き出された結論は単純だった。
市場が気づく前に、すべての不良資産を売り抜く。
それがどんな意味を持つか分かっていても、会社を延命させるにはそれしかない、という判断。

売る側に残された人間の問題

サムはこの決定に強く反発する。
価値が崩れると分かっているものを、知らない相手に売る。
それは市場や顧客への裏切りであり、自分の信念にも反する。
だが、命令は下り、実行するしかない。
売却が進む中で、多くの部下が切られ、サム自身も解雇を覚悟する。
しかし彼に告げられたのは、「お前は生き残った」という言葉だった。

この映画のポイント

金融危機そのものよりも、危機を理解した人間たちの反応を描いているところ。
派手な事件は起きないけど、会話と沈黙だけで極限の判断が積み重なっていく。

数字は感情を持たないが、それを扱う人間は感情から逃げられない、という構図がずっと続く。

たぶんこんな映画

全体的に静かで、夜が長い。
専門用語は多いけど、雰囲気だけで「まずい状況」なのは伝わってくる。
大きな爆発はない代わりに、後味がじわっと残るタイプの空気感。
気づいたら、誰の立場でもしんどいな、と思わされる映画。

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