※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ユージュアル・サスペクツ
(The Usual Suspects)
作品データ
1995年|アメリカ合衆国|サスペンス/クライム
監督:ブライアン・シンガー
出演:ケヴィン・スペイシー、ガブリエル・バーン、チャズ・パルミンテリ ほか
全部しゃべってるようで一番大事なことだけ言ってない話
港で起きた麻薬密輸船爆破事件。その唯一の生存者である小物詐欺師ヴァーバル・キントが、捜査官に向けて事件の経緯を語り始める。
集められた5人の前科者、伝説の犯罪王カイザー・ソゼ、操られるように進む強盗計画。
話は筋が通っているようで、どこか引っかかるまま、最後に全部ひっくり返る。
物語の主要人物
・ヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)
左半身に障害を持つ小心者の詐欺師。事件唯一の生存者で語り部。
・ディーン・キートン(ガブリエル・バーン)
元汚職刑事。過去を捨てて堅気になろうとしている男。
・マイケル・マクマナス(スティーヴン・ボールドウィン)
短気で好戦的な犯罪者。銃の扱いが得意。
・フレッド・フェンスター(ベニチオ・デル・トロ)
マクマナスの相棒。強い訛りが特徴。
・トッド・ホックニー(ケヴィン・ポラック)
爆弾のプロ。裏切りも平然とやるタイプ。
・デイヴ・クイヤン(チャズ・パルミンテリ)
関税局捜査官。キントの話を聞きながら真相を探る。
そもそもの始まりは「面通し」
ニューヨークの警察署で、偶然集められた5人の前科者。
全員が「よくある容疑者」で、特に証拠もなく釈放される。
この理不尽さにムカついた5人は、仕返しのように強盗を計画し、チームとして動き始める。
仕事はだんだんおかしな方向へ
最初の強盗は成功。
次の仕事で奪ったはずの宝石ケースの中身は、なぜか麻薬。
背後には「弁護士コバヤシ」と名乗る男が現れ、すべては伝説の犯罪王カイザー・ソゼの命令だと告げられる。
名前を聞いた瞬間に壊れ始める
カイザー・ソゼの名を聞いた途端、フェンスターは逃亡し、死体で発見される。
キートンは「そんな男は存在しない」と反発するが、仲間や恋人を人質に取られ、逃げ道を失っていく。
結局、残った者たちは港の密輸船を襲う計画へ向かう。
港で起きた惨劇
船には麻薬はなく、次々と仲間が殺されていく。
キントは岸から、キートンが何者かに撃ち殺され、船が炎上するのを目撃する。
これが、最初に語られた「事件の結末」。
取り調べ室で起きていたこと
語り終えたキントに対し、捜査官クイヤンは
「キートンこそがカイザー・ソゼだ」と推理をぶつける。
しかし、キントは釈放され、警察署を後にする。
本当に語られていたのはどれか
クイヤンは遅れて気づく。
キントが語った固有名詞のすべてが、取り調べ室の壁や机の周りにあった言葉だったことに。
外へ出たキントの足取りは次第に普通になり、迎えに来た車の運転席には「コバヤシ」が座っていた。
この映画のポイント
回想がそのまま罠になっている構成。
「語り手を信じてしまう」観客の心理を逆手に取る。
派手なアクションより、言葉と編集で転がしてくるタイプ。
一度観終わったあと、最初からもう一回観たくなる。
たぶんこんな映画
話を聞いてただけなのに、最後に全部持っていかれる。
「なるほど!」より「え、待って…」が先に来る。
観終わった後、しばらく黙りたくなる系の一本。

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