※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
エネミー・オブ・アメリカ
(Enemy of the State)
作品データ
1998年|アメリカ|政治/アクション・スリラー
監督:トニー・スコット
出演:ウィル・スミス, ジーン・ハックマン, ジョン・ボイト, レジーナ・キング, ジェイク・ビュージー, バリー・ペッパー, ガブリエル・バーン ほか
何も知らない弁護士が、国家規模の監視システムに全力で消されにかかる話
普通に暮らしていた労働弁護士ディーンが、たまたま政治家暗殺の証拠を手にしてしまったことで人生が崩壊する。国家安全保障の名のもとに、盗聴、捏造、社会的抹殺が一気に降りかかり、味方ゼロの状態に。そこに現れるのが、社会から姿を消していた元諜報員ブリル。二人は監視され尽くした世界で、監視する側を逆に追い詰めていく。
ざっくり時系列
監視法案に反対する議員が暗殺される
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自然学者が暗殺の証拠映像を入手
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証拠が偶然ディーンの手に渡る
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NSAがディーンを標的にする
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盗聴と証拠捏造で社会的に追い込まれる
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元諜報員ブリルと接触
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証拠を探し直し反撃を決意
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NSA上層部を罠にかける
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銃撃戦と同時中継で陰謀が露呈
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法案撤回、事件収束
物語の主要人物
・ロバート・クレイトン・ディーン(ウィル・スミス)
労働弁護士。偶然証拠を持ったことで追われる身になる。
・エドワード・ライル/ブリル(ジーン・ハックマン)
元諜報員。監視社会から姿を消して生きている。
・トーマス・レイノルズ(ジョン・ボイト)
NSA高官。事件の首謀者。
・カーラ・ディーン(レジーナ・キング)
ディーンの妻。
・ダニエル・ザヴィッツ(ジェイソン・リー)
暗殺映像を撮影した自然学者。
きっかけは、買い物袋の中の小さなディスク
ディーンは仕事も家庭も順調な弁護士だったが、街中で起きた偶然がすべてを変える。暗殺の証拠を入手した男が、逃走中にディーンの買い物袋へディスクを忍ばせたことで、国家規模の監視網が一斉に彼へ向かう。本人は何が起きているのかも分からないまま、監視対象に指定される。
国家権力は、静かに人生を壊してくる
NSAは令状なしの盗聴、住居侵入、証拠捏造を次々に実行。ディーンは犯罪者に仕立て上げられ、仕事も信用も家族も失っていく。追跡や爆破よりも、銀行口座が凍結され、周囲から孤立していく過程が一番怖い。逃げ場のない状況で、ディーンは謎の男ブリルに辿り着く。
監視される側が、監視する側を引きずり出す
ブリルは元諜報員で、監視社会そのものを嫌悪して姿を消していた人物。二人は証拠を再構築し、NSA内部の権力争いを逆手に取った作戦を仕掛ける。最終局面では、ギャングとNSAが衝突し、すべてがリアルタイムで外部に露出する形で決着がつく。
この映画のポイント
・当時としては異様に具体的な監視テクノロジー描写
・派手なアクションと地味な社会的恐怖の組み合わせ
・ウィル・スミスの追い詰められ役
・ジーン・ハックマンの孤高の助言者ポジション
たぶんこんな映画
走って逃げるアクション映画なのに、いちばん怖いのは電話やクレジットカード。観終わると「今これ全部できそうだな…」って静かに思ってしまう、90年代なのに異様に現実感のある一本。

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