トゥルー・ロマンス

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




Amazon.co.jp: トゥルー・ロマンス ディレクターズカット版 ブルーレイ(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray] : クリスチャン・スレイター, パトリシア・アークエット, デニス・ホッパー, ヴァル・キルマー, ゲイリー・オールドマン, ブラッド・ピット, クリストファー・ウォーケン, トニー・スコット: DVD
Amazon.co.jp: トゥルー・ロマンス ディレクターズカット版 ブルーレイ(初回限定生産/2枚組) : クリスチャン・スレイター, パトリシア・アークエット, デニス・ホッパー, ヴァル・キルマー, ゲイリー・オールドマン, ブラッド・ピット, クリストファー・ウォーケン, トニー・スコット: DVD



トゥルー・ロマンス
(True Romance)

作品データ
1993年|アメリカ|クライム/ラブストーリー
監督:トニー・スコット
出演:クリスチャン・スレーター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、ゲイリー・オールドマン、ブラッド・ピット ほか


これは「血まみれのおとぎ話」

『トゥルー・ロマンス』を一言で言うなら、
超純情な恋愛映画に、超暴力的な世界をぶつけた作品

脚本はクエンティン・タランティーノ。
ただし監督はトニー・スコットなので、
タランティーノ節の会話と、
90年代らしい派手で疾走感のある映像が混ざっている。

ロマンチックなのに危険。
甘いのに血の匂いがする。
この矛盾が、最後までずっと続く。


主人公クラレンスという「夢を信じ切る男」

クラレンスは、
コミックと映画が大好きなオタク気質の青年。

現実的には、
仕事もパッとせず、人生も地味。

でも彼には、
「世界は映画みたいに回っているはずだ」
という確信がある。

この映画、
実は彼の視点で見ると
完全にヒーロー物語。


アラバマとの出会いがすべてを壊す

娼婦として送り込まれたアラバマと、
クラレンスは即恋に落ちる。

出会って数日で結婚を決め、
「一生一緒にいよう」と本気で信じる。

ここからすでに現実感は薄いけど、
映画はそれを否定しない。

むしろ
「本気で信じてるなら、それが現実」
という態度で突き進む。


コカイン強奪事件という致命的な勘違い

アラバマの元締めを殺してしまい、
クラレンスは大量のコカインを手に入れる。

彼はそれを
「麻薬」ではなく
「人生を変えるチケット」だと思っている。

ロサンゼルスで売って、
その金で幸せに暮らす。

完全に無謀だけど、
彼の中では筋が通っている。

ここがこの映画の怖さで、
純粋さがそのまま暴力に直結する


男たちの会話が、いちいち伝説級

この映画は脇役が異常に豪華。

・デニス・ホッパー vs クリストファー・ウォーケン
・ゲイリー・オールドマンの狂気
・ブラッド・ピットのダメ人間感

特に有名なのが、
デニス・ホッパーとウォーケンの
「シチリア人の血」についての会話。

あのシーン、
完全に死ぬと分かっていても
言葉で負けないという美学がある。


愛だけは、最後まで裏切られない

この映画、
人はバンバン死ぬし、
警察もマフィアも信用ならない。

でも、
クラレンスとアラバマの愛だけは
一度も揺らがない。

浮気もしない。
疑いもしない。
迷いもしない。

だからこそ、
この無茶な物語が
「おとぎ話」として成立する。


ラストは「現実」か「映画」か

クライマックスは大乱戦。
銃声、裏切り、誤解、死。

本来タランティーノ脚本では
かなりビターな結末だったとも言われているけど、
映画版はわりと救いのある終わり方を選ぶ。

それが正解かどうかは分からない。

でもこの作品は最初から最後まで、
「映画みたいに生きたい人間の話」

なら、
映画みたいなラストでいい。


この映画が愛され続ける理由

『トゥルー・ロマンス』は、
クライム映画の皮をかぶった
ラブストーリー。

しかも、
一切冷笑しない。

バカだとも言わない。
現実見ろとも言わない。

ただ
「そこまで信じ切れるなら、行け」
と言ってくる。

危険で、無謀で、
でも妙にまっすぐ。

だからこの映画、
何年経っても
「好きな人には異様に刺さる」
一本になってるんだと思う。

コメント