※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
プリック・アップ
(Prick Up Your Ears)
作品データ
1987年|イギリス|ドラマ
監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ゲイリー・オールドマン、アルフレッド・モリーナ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ ほか
才能が花開く男と、その隣で置いていかれる恋人の話
1960年代ロンドン。演劇学校に通うジョー・オートンと、裕福で内向的な文学青年ケネス・ハリウェルが出会い、恋人として共同生活を始める。やがてジョーの才能が世に認められ、成功は加速する。一方でケネスは焦りと孤独を深め、二人の関係は少しずつ歪んでいく。創作と愛が絡まり合い、最後は取り返しのつかない結末へ向かっていく話。
物語の主要人物
・ジョー・オートン(ゲイリー・オールドマン)
演劇学校に通う若者で、のちに成功する劇作家
・ケネス・ハリウェル(アルフレッド・モリーナ)
裕福な文学青年で、ジョーの恋人
・ペギー・ラムゼイ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)
ジョーを支えるエージェント的存在
・エルジー・オートン(ジュリー・ウォルターズ)
ジョーの母親
出会いと共同生活、静かな始まり
ロンドンの演劇学校で学ぶジョーは、知的で余裕のあるケネスと出会う。価値観は違うが惹かれ合い、やがて二人はケネスの両親の遺産を元に同居を始める。創作について語り合い、支え合う日々は穏やかで、未来は開けているように見える。
ジョーの成功と、ズレていく距離
時が経ち、ジョーの戯曲は次々と評価され、世間の注目を集めていく。刺激的な作風と大胆さは時代にハマり、仕事は増える一方。その成功の影で、ケネスは自分の居場所を見失っていく。才能の差、周囲の評価、生活の主導権。小さな違和感が積み重なり、二人の距離は確実に広がっていく。
愛と創作の行き止まり
成功が続くジョーと、焦燥を深めるケネス。愛情は残っているのに、同じ場所を見られなくなる。嫉妬、依存、孤独が絡み合い、関係は破綻寸前まで追い込まれる。そして物語は、史実として知られる悲劇的な結末へ向かう。そこに救いは用意されていない。
この映画のポイント
実話をベースにしつつ、創作の光と影を真正面から描いているところ。成功する側と支える側、その関係が変質していく過程が丁寧。派手な演出より、会話や表情で積み上げていくタイプの映画。
たぶんこんな映画
静かだけど重さが残る一本。60年代ロンドンの空気感と、二人だけの閉じた世界が同時に進んでいく。才能や愛に憧れつつ、その裏側も見せられる感じ。観終わった後、しばらく余韻が残るタイプの映画。

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