※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
トゥー・ラバーズ
(Two Lovers)
作品データ
2008年|アメリカ|ロマンティック・ドラマ
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ホアキン・フェニックス, グウィネス・パルトロウ, ヴィネッサ・ショウ ほか
生きる気力をなくした男が、二人の女性の間で揺れ続ける話
ブルックリンで両親と暮らすレナードは、過去の失恋と病気の問題を引きずったまま、何度も死を考えている。そんな彼の前に、正反対の二人の女性が現れる。感情を激しく揺さぶる隣人ミシェルと、静かに寄り添おうとするサンドラ。そのどちらにも傾ききれないまま、レナードは年の瀬に大きな選択を迫られる。
ざっくり時系列
橋から飛び込もうとする
↓
両親の家に戻り、見合い的な夕食に出る
↓
サンドラと出会う
↓
隣人ミシェルに強く惹かれる
↓
ミシェルの不安定な事情を知る
↓
サンドラとの関係が深まる
↓
ミシェルが街を出ると言い出す
↓
大晦日に全てが重なる
↓
一人きりで海へ向かう
↓
指輪を拾い、決断する
物語の主要人物
・レナード・クラディター(ホアキン・フェニックス)
両親と暮らす男性。過去の出来事から精神的に不安定
・ミシェル・ラウシュ(グウィネス・パルトロウ)
レナードの隣人。既婚男性と関係を持っている
・サンドラ・コーエン(ヴィネッサ・ショウ)
両親の勧めで知り合う女性。家業を継ぐ家庭で育った
・ルース・クラディター(イザベラ・ロッセリーニ)
レナードの母。息子を気遣い続けている
・ルーベン・クラディター(モニ・モショノフ)
レナードの父。家族と仕事の安定を重視する
橋の上から始まる、どうしようもない日常
物語は、レナードが橋の上で立ち尽くす場面から始まる。川に飛び込もうとした直後、彼は思い直して家に帰る。両親は息子の不安定さを理解していて、将来を案じながら、夕食会という形で新しい縁を用意する。そこで現れるのがサンドラだった。
二人の女性、二つの距離感
サンドラは穏やかで、レナードの話を否定せずに受け止める。一方、隣人のミシェルは魅力的だが不安定で、既婚者との関係や体調の問題を抱えている。レナードは分かっていながら、ミシェルの感情の振れ幅に強く引き寄せられていく。安心と刺激、その間で彼は行ったり来たりを繰り返す。
大晦日、選ばなかった方が残る
年の終わり、すべてが同時に動き出す。ミシェルは去ると言い、サンドラの家族は将来の話を進めようとする。期待と現実が重なった夜、レナードは一度すべてを投げ出すように海へ向かう。そこで彼が目にするのは、ほんの些細な落とし物と、さっきまで自分が捨てたはずの指輪だった。
この映画のポイント
・恋愛の話なのに、ほとんどが静かな会話
・ブライトン・ビーチの冬景色が心情と重なる
・選択そのものより、迷い続ける時間が描かれる
・音楽と間が感情を説明してくる構成
たぶんこんな映画
劇的な展開は少なくて、気まずい沈黙や視線が長く続く。誰かを選ぶ話というより、選べない状態をずっと見せられる感じ。見終わったあと、冬の海をしばらく思い出すタイプの一本。

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