※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
裏切り者
(The Yards)
作品データ
2000年|アメリカ|犯罪/サスペンス
監督:ジェームズ・グレイ
出演:マーク・ウォールバーグ, ホアキン・フェニックス, シャーリーズ・セロン, ジェームズ・カーン, エレン・バースティン ほか
真っ当に生き直そうとした男が、街ぐるみの不正に飲み込まれる話
刑務所を出て、今度こそ母を安心させる人生を選ぼうとした男がいた。
だが仕事、家族、幼なじみ、その全部が同じ場所で繋がっていたせいで、気づけば逃げ場のない不正の渦中に立たされる。
誰を信じ、どこまで黙り、どこで裏切るのか。
静かに追い詰められていく男の選択が、街の構造ごと浮かび上がらせていく。
ざっくり時系列
刑務所から出所する
↓
母のために真っ当な仕事を探す
↓
幼なじみの仕事を見学する
↓
汚職と談合の現場を知る
↓
操車場で殺人事件が起きる
↓
罪を着せられ逃亡する
↓
家族と仲間に切られる
↓
密約を結ぶ
↓
それを破って告発する
物語の主要人物
・レオ・ハンドラー(マーク・ウォールバーグ)
出所したばかりの青年。母のために人生を立て直そうとする。
・ウィリー・グティエレス(ホアキン・フェニックス)
レオの幼なじみ。不正な仕事に深く関わっている。
・エリカ・ストルツ(シャーリーズ・セロン)
ウィリーの恋人。フランクに複雑な感情を抱く。
・フランク・オルチン(ジェームズ・カーン)
レオの叔父。鉄道関連会社の経営者で、裏の顔を持つ。
・ヴァル・ハンドラー(エレン・バースティン)
レオの母。息子に真っ当な人生を望んでいる。
出所した男が、戻ってきた街で仕事を探す
ニューヨーク・クイーンズ。
刑務所から出たレオは、女手一つで育ててくれた母をもう悲しませないと決めていた。
叔父フランクは会社での仕事を用意しようとするが、資格のために2年の学校通いが必要になる。
今すぐ金が必要なレオは、その話を保留にしたまま、幼なじみウィリーの仕事を見に行く。
金が動く場所で、やってはいけない現実を見る
ウィリーに連れられた入札の現場で、レオは汚職と談合が当たり前に行われていることを知る。
不安を感じながらも、分け前の存在に心が揺れる。
やがてウィリーと一緒に仕事をするようになった夜、操車場で取り返しのつかない事件が起きる。
職員が刺され、レオは駆けつけた警官に重傷を負わせてしまう。
逃げたことで状況はさらに悪化し、レオだけが犯人として追われる立場になる。
誰も助けてくれない場所で選ぶ、最後の行動
逃亡するレオは、幼なじみとも、叔父とも、完全に切り離されていく。
裏で動く取引、通用しない賄賂、守られない約束。
聴聞会の場で、レオは罪を免れるための密約を結ぶが、その後に選んだのは沈黙ではなかった。
自分が生き延びる条件を捨てて、不正を告発する。
それは街の仕組みそのものに楔を打ち込む行為だった。
この映画のポイント
・家族、仕事、友情が同じ構造の中で絡み合う
・派手さよりも重さを積み上げる展開
・主人公が少しずつ孤立していく感覚
・街の不正が個人の人生に直結している描き方
・静かな選択が物語の決定打になる構成
たぶんこんな映画
大きな音や派手な演出は少ないけど、ずっと胸の奥がざわざわする。
登場人物が何を守ろうとして、何を失っていくのかを、じわじわ見せてくるタイプ。
見終わると、街とか仕事とか家族の距離感について、少し考えが止まらなくなる一本。

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