※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
マクベス
(The Tragedy of Macbeth)
作品データ
2021年|アメリカ合衆国|悲劇
監督:ジョエル・コーエン
出演:デンゼル・ワシントン, フランシス・マクドーマンド, バーティ・カーヴェル, コーリー・ホーキンス, キャサリン・ハンター, ブレンダン・グリーソン ほか
予言を聞いた瞬間から、出世が地獄のスタートラインになる話
戦場で手柄を立てた将軍マクベスが、魔女の予言を聞いてしまう。
「お前はいずれ王になる」って言われたら、そりゃ気になる。
しかも妻もその気満々で、背中を押すどころか突き飛ばしてくる。
そこから先は、欲と恐怖で判断が壊れていって、王になっても全然幸せじゃないまま、暴君ルート一直線。
ざっくり時系列
マクベスとバンクォーが戦で勝つ
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戦場で3人の魔女に予言される
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マクベスがコーダー領主になる
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王が息子マルコムを後継者に指名する
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マクベス夫人が王殺しをけしかける
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マクベスがダンカン王を殺し、召使を処刑してごまかす
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マルコムが逃亡し、マクベスが王になる
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バンクォーと息子フリーアンス暗殺が実行され、バンクォーが死ぬ
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晩餐会でマクベスが幻覚に襲われる
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魔女が再び予言し、マクダフに警戒せよと言う
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マクベスがマクダフ一家虐殺を命じる
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マクベス夫人が罪悪感で壊れていく
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マルコム軍がバーナムの森の枝で偽装して進軍する
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マクダフが「女から生まれてない」と告げ、マクベスを討つ
↓
マルコムが新王となり、フリーアンスは生き延びる
物語の主要人物
・マクベス(デンゼル・ワシントン)
将軍。予言をきっかけに王位へ執着し、疑心暗鬼の暴君になっていく
・マクベス夫人(フランシス・マクドーマンド)
夫を王に押し上げようとするが、罪悪感に耐えきれなくなる
・バンクォー(バーティ・カーヴェル)
マクベスの戦友。子孫が王になるという予言を受ける
・マクダフ(コーリー・ホーキンス)
ファイフの領主。家族を奪われ、マクベス討伐の中心になる
・ダンカン王(ブレンダン・グリーソン)
スコットランドの王。マクベスの城で殺される
・魔女/老人(キャサリン・ハンター)
予言を告げる存在。マクベスの運命を加速させる
いちばん怖いのは、最初の一線を越える瞬間
この話、王になるまでの道筋が「どんどん悪くなる」のがきつい。
マクベスは最初から怪物じゃなくて、迷いながら踏み越える。
王を殺したあとも、罪悪感を消すためにさらに殺す。
これがループみたいに続いて、気づいたら戻れない場所に立ってる。
王になってからのほうが、人生が崩壊していく
王座を取ったら安心、じゃない。むしろ逆。
バンクォーの予言が怖くなって暗殺するし、幻覚まで見るようになる。
魔女の追加予言で「自分は無敵」と思い込むのに、疑いは止まらない。
強くなるほど孤独で、恐れられるほど不安が増える感じ。
予言は外れるんじゃなくて、変な形で全部当たる
「バーナムの森が動くわけない」って思うけど、枝を持って進軍してくる。
「女から生まれた男には倒されない」も、言葉の抜け道がある。
マクベスは言葉を都合よく信じて、都合悪い部分を見ない。
そのツケを最後にまとめて払わされる。
この映画のポイント
・予言が希望じゃなくて、疑心暗鬼の燃料になる
・罪を隠すための暴力が、さらに罪を呼ぶ
・王になっても、心は一度も落ち着かない
・最後は「言葉の解釈」で世界がひっくり返る
たぶんこんな映画
重くて、静かで、ずっと不穏。
派手に盛り上げるというより、じわじわ締め付けてくる。
観終わったあと、出世とか成功って何だろうって妙に考えちゃう一本。

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