地獄の逃避行|ざっくり時系列

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : 地獄の逃避行




地獄の逃避行
(Badlands)

作品データ
1973年|アメリカ|犯罪・ドラマ
監督:テレンス・マリック
出演:マーティン・シーン, シシー・スペイセク, ウォーレン・オーツ, ラモン・ビエリ

夢見がちな少女と気取り屋青年が、静かに破滅へ向かう話

15歳のホリーと25歳のキットが出会い、恋に落ち、逃げて、殺して、追われていく。
淡々とした語り口のまま、二人はどんどん引き返せない場所へ進んでいく。
派手な悪党映画というより、感情のズレが積み重なった結果を、ぼんやり眺め続けるような一本。

ざっくり時系列

ホリーがキットと出会う

二人が急接近する

父親が交際を強く拒否する

キットが父親を撃つ

家を燃やして逃亡する

荒野で隠れ家生活をする

追手と遭遇し、殺しが重なる

警察の包囲網が狭まる

ホリーが逃亡を降りる

キットが逮捕される

物語の主要人物

・キット・カラザース(マーティン・シーン)
 ゴミ収集の仕事をしている青年。衝動的な行動で事態を悪化させていく。

・ホリー・サージス(シシー・スペイセク)
 15歳の少女。淡々とした語りで逃亡の日々を振り返る。

・ホリーの父(ウォーレン・オーツ)
 娘を厳しく管理する父親。物語の大きな転換点となる存在。

・ケイトー(ラモン・ビエリ)
 キットの元同僚。逃亡中の二人を一時的に匿う。

退屈な町から始まる、歪んだ憧れ

舞台は1959年、サウスダコタの行き止まりの町。
母を亡くし、父とぎくしゃくした関係にあるホリーは、
ジェームズ・ディーン風を気取るキットと出会い、一気に惹かれていく。
この時点では、二人の関係はどこにでもありそうな若さの暴走に見える。

恋と逃亡が、殺しにすり替わっていく

父親の強い反対と暴力的な行動をきっかけに、
キットは銃を使い、一線を越える。
二人は家を燃やし、荒野へ逃げ込み、
ツリーハウスを作り、狩りをしながら生活するが、
行く先々で人と出会い、そのたびに事態は最悪の形で終わっていく。

追い詰められた末の、あっけない終着点

警察の追跡が本格化し、逃亡は限界を迎える。
ホリーは静かに同行を拒み、キットは単独で逃げ続けるが、
カーチェイスはすぐに終わり、彼はあっさり捕まる。
物語は、ホリーのその後と、キットの結末を淡々と告げて終わる。

この映画のポイント

・事件を大げさに盛り上げない、異様に落ち着いた語り口
・主人公たちの感情と行動が、どこか噛み合わない不気味さ
・広い荒野と静かな音楽がつくる独特の空気感
・「なぜそうなったのか」を説明しすぎない距離感

たぶんこんな映画

逃避行なのに、どこにも高揚感がない。
犯罪映画なのに、スリルよりも空白が目立つ。
誰かの人生を横からずっと見ていたら、
いつの間にか取り返しがつかなくなっていた、
そんな感触が残る一本。

コメント