※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
バートン・フィンク
(Barton Fink)
作品データ
1991年|アメリカ|ブラックコメディ・スリラー
監督:ジョエル・コーエン, イーサン・コーエン
出演:ジョン・タトゥーロ, ジョン・グッドマン, ジュディ・デイヴィス, マイケル・ラーナー, ジョン・マホーニー, ジョン・ポリト ほか
庶民を書きたい男が、ハリウッドとホテルで完全に詰む話
ブロードウェイで評価された若手劇作家バートン・フィンクは、ハリウッドに呼ばれて脚本家になる。でも与えられた仕事はレスリング映画。書けない、分からない、誰にも届かない。安ホテルで孤立していく中、隣人チャーリーと出会い、助けられたと思った瞬間から、世界がどんどん歪んでいく。創作と現実、善意と狂気が溶け合って、最後は意味が分からない場所に連れて行かれる。
ざっくり時系列
ブロードウェイの劇作家バートンがハリウッドに呼ばれる
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安宿ホテル・アールに住み、レスリング映画の脚本を書くことになる
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全く書けず、隣人チャーリーと親しくなる
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作家メイヒューとその秘書オードリーに出会う
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オードリーがホテルで惨殺される
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チャーリーが死体処理を引き受ける
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刑事が現れ、チャーリーの正体が連続殺人犯だと判明する
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ホテルが炎に包まれ、チャーリーが暴走する
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完成させた脚本は酷評され、バートンは行き場を失う
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箱を持ったまま浜辺をさまよう
物語の主要人物
・バートン・フィンク(ジョン・タトゥーロ)
庶民を描きたいと語る若き劇作家
・チャーリー・メドウズ(ジョン・グッドマン)
隣室に住む保険セールスマン
・オードリー・テイラー(ジュディ・デイヴィス)
作家メイヒューの秘書でゴーストライター
・W・P・メイヒュー(ジョン・マホーニー)
落ちぶれた小説家
・ジャック・リプニック(マイケル・ラーナー)
映画会社の幹部
ハリウッドに来た瞬間から、空気がもうおかしい
1941年。バートンは「庶民の声を書く劇作家」として期待され、ハリウッドにやって来る。用意された住まいは、壁がベタつく安宿ホテル・アール。部屋にあるのは、浜辺で日差しを避ける女性の小さな絵だけ。
仕事はレスリング映画。でもレスリングを知らないし、書き始めることすらできない。暑さ、騒音、汗、壁紙。全部がじわじわと精神を削っていく。
書けない焦りと、優しそうな隣人
隣室の騒音に文句を言ったことで、チャーリーと出会う。彼は気さくで、よく喋り、バートンの話も熱心に聞いてくれる。
バートンは「庶民が好きだ」「庶民を書きたい」と語り、チャーリーは自分の人生を語る。ここだけ切り取ると、創作者と一般人の美しい交流っぽい。でも、どこかズレてる感じがずっと残る。
一方で、仕事は進まない。頼った相手は、落ちぶれた作家メイヒューと、その秘書オードリー。助けを求めた夜、事態は一気に壊れる。
死体、箱、炎上するホテル
翌朝、バートンが目覚めるとオードリーは惨殺されている。パニックの中で頼ったのはチャーリー。彼は淡々と死体を処理し、警察に連絡するなと言う。
その後、刑事から知らされる真実。チャーリーは連続殺人犯カール・ムントだった。机の上には、開けてはいけない箱。中身は最後まで分からない。
やがてホテルは炎に包まれ、チャーリーは完全に別の存在になる。バートンは脚本と箱を持って、燃えるホテルを後にする。
この映画のポイント
・書けない苦しさがそのままホラーになる構造
・優しさと狂気が同じ顔で現れる怖さ
・意味が説明されない象徴がずっと残り続ける
・ハリウッドという場所そのものへの皮肉
たぶんこんな映画
筋を追おうとすると置いていかれて、雰囲気に身を任せると不安になる。分かった気になった瞬間に、足元をすくわれる。観終わると「結局あれ何だったんだろう?」って考え始めて、しばらく頭から離れないタイプ。答えをくれないまま、じっとこっちを見てくる、変で嫌で忘れにくい一本。

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