※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
イン・ザ・スープ
(原題:In the Soup)
作品データ
1992年|アメリカ|インディー/コメディ・ドラマ
監督:アレクサンダー・ロックウェル
出演:スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル、ジェニファー・ビールス ほか
人生が煮詰まると、だいたい変な人が寄ってくる
映画を撮りたい気持ちはあるのに、金もツテも現実感も足りない。
そんなところに、やたら親切で、やたら怪しい人物が現れる。
夢と現実の境目がぐつぐつしてくる感じが、この映画の入口。
ゆるっと要約
売れない脚本家アドルフは、自分の脚本を映画にしたいと思いながら、日々は停滞気味。
そこへ、街で知り合った怪しげな男ジョーが現れ、
制作資金を出すと言いながら、どんどん話を引っ張っていく。
期待と不安が入り混じる中で、計画は進んでいるような、ズレているような状態が続き、
最後には、思っていた形とは少し違う場所に辿り着く。
映画を撮りたい人の目線
アドルフは、野心満々というより、
「やりたいけど、どうしたらいいかわからない」側の人。
理想はあるのに、現実の手応えがなくて、
待っているうちに時間だけが過ぎていく。
その停滞感が、街の空気と妙に噛み合っている。
ジョーという嵐
ジョーは、親切なのか詐欺なのか判断がつかない存在。
口は達者で、話は大きくて、
でもどこか憎めない軽さがある。
彼が現れることで、
アドルフの人生は少しだけ動き出すけど、
その動きが前進なのか横滑りなのかは、最後まで曖昧。
夢と現実のあいだで揺れる時間
話が進むほど、
映画制作の話なのか、人生相談なのか境界がぼやけていく。
希望を信じたい気持ちと、
「これ大丈夫かな」という感覚が同時に存在する。
うまくいっている気がする瞬間ほど、
なぜか足元が不安定。
終盤の静かな着地
物語は大きな成功や破滅に振り切れるというより、
「そういう形もあるよね」という地点に落ち着く。
期待していた答えとは違っても、
何かが整理された感じは残る。
たぶんこんな映画
夢を追う話だけど、
前向き一直線というより、横道だらけ。
人生が煮込みすぎになる直前の、
あの居心地の悪さを、
笑いながら眺めるタイプの映画。

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