※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
エスケープ・フロム・L.A.
(原題:Escape From L.A.)
作品データ
1996年|アメリカ|SF/アクション
監督:ジョン・カーペンター
出演:カート・ラッセル、ステイシー・キーチ、パム・グリア、スティーヴ・ブシェミ ほか
世界が壊れても、彼は皮肉を忘れない
文明がだいぶ雑に崩れているのに、
主人公は相変わらず無口で、愛想がなくて、どこか達観している。
派手な終末感と、乾いたユーモアが同時に転がってくる入り口。
ゆるっと要約
地震によって島になったロサンゼルスは、
政府にとって都合の悪い人たちの流刑地みたいな場所になっている。
そこへ、ある重要人物と装置を回収するため、
スネーク・プリスケンが送り込まれる。
制限時間付き、裏切り前提、協力者は信用しきれない。
島の中を移動しながら、取引や衝突を重ね、
最後には、思惑とは違う形で世界の行方に関わることになる。
島になったL.A.という舞台
街は観光地の面影を残しつつ、
秩序はほとんど機能していない。
エリアごとに支配者やルールが違っていて、
移動するたびに空気が変わる。
荒廃しているけど、
なぜか見世物っぽさもあって、
この世界に長く住んでいる人たちの適応力が垣間見える。
スネークという距離感
スネークは、
正義感で動いているようにも、
完全に投げやりなようにも見える。
命令は聞くけど、内心では別の計算をしている感じがずっと続く。
誰かに期待されても、
それに応えようとしているのか、
単に面倒を避けているだけなのか、
判断がつかない曖昧さがある。
出会いと取引の連続
島の中では、
元有名人、反体制の人物、怪しいブローカーなど、
いろんな人とすぐに接点ができる。
味方っぽく見えても、
次の場面では立場が変わることも多い。
会話は軽口が多いけど、
背景にはそれぞれの生存戦略が透けて見える。
終盤に向かう選択
目的物に近づくにつれて、
任務そのものより、
それをどう扱うかが問題になってくる。
従うか、無視するか、ひっくり返すか。
スネークは、自分なりの判断を選ぶ。
その選択は、
派手な勝利というより、
「もう十分だろ」という疲れた決断に近い。
たぶんこんな映画
終末SFだけど、
どこか肩の力が抜けている。
世界がどうなっても、
個人は個人のやり方で立っている、
そんな感触が残る。
アクションを眺めながら、
皮肉と諦観を同時に味わうタイプの映画。

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