ミラーズ・クロッシング

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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ミラーズ・クロッシング

(原題:Miller’s Crossing)

作品データ
1990年|アメリカ|ギャング/クライム
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:ガブリエル・バーン、アルバート・フィニー、ジョン・タトゥーロ、マルシア・ゲイ・ハーデン ほか


帽子が転がるたび、立場が変わる

誰の味方なのか、何を信じているのか。
銃声よりも静かな駆け引きが多くて、言葉の裏と沈黙が一番うるさい。
ギャング映画の顔をしながら、人間関係の迷路に迷い込む感じが強い一本。

ゆるっと要約

街を仕切るボス同士が対立する中、片方の側近トムが、あっちとこっちの間を行き来しながら事態を動かしていく。
命令に従っているようで従っていないし、裏切っているようで裏切っていない。
誰かを助けたと思ったら、別の誰かを追い込んでいて、最終的には立場も関係性も大きく入れ替わっていく。

街とボスと、側近という立ち位置

舞台は禁酒法時代っぽい雰囲気の街。
表で仕切っているボスがいて、その周りに取り巻きや部下がいる。
トムはその中心にかなり近い位置にいるけど、決してトップではない。
だからこそ、情報も命令も集まってくるし、選択を迫られる場面が多い。

誰かが感情で動くと、トムは一歩引いて状況を見る。
その距離感が、信頼にも疑念にも見えてくるのが面白いところ。

人を動かすのは銃より言葉

派手な撃ち合いが連続する感じではなくて、
「こう言われた」「こう約束した」という会話が、あとから効いてくる。
何気ない一言が、別の場面で違う意味を持ち始めるので、
観ている側も「今の、どっちに転ぶんだろう」と考えながら進む感じ。

特に、誰かを生かすか消すかの判断が、
感情・損得・義理のどれで決まったのか曖昧なまま進むのが印象に残る。

森の中で起きること

物語の途中で、街から少し離れた場所が重要になってくる。
そこは、組織のルールや顔色が届きにくい場所で、
トム自身の判断が一番むき出しになる場面でもある。

静かで、逃げ場がなくて、
ここでの出来事が、その後の関係を決定的に変えていく。

終盤にかけての入れ替わり

話が進むにつれて、
「この人が強い側」「この人が有利」という構図が何度もひっくり返る。
味方だと思っていた相手が遠ざかり、
敵だと思っていた相手と利害が重なったりする。

ラスト付近では、
最初にあった関係性とはかなり違う位置に、それぞれが立っている。
ただ、スッキリ解決というより、
「そうなったか」という余韻が残る終わり方。

たぶんこんな映画

頭で理解しようとすると少し難しくて、
空気と間で感じると、じわじわ染みてくるタイプ。
派手さよりも、選択の重さとか、立ち回りの孤独が残る。
観終わったあと、
あの帽子は何を象徴してたんだろう、って少し考えたくなる映画。

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