※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
フェイク
(Donnie Brasco)
作品データ
1997年|アメリカ|クライム/ドラマ
監督:マイク・ニューウェル
出演:ジョニー・デップ、アル・パチーノ、マイケル・マドセン ほか
正体を隠したままマフィアに入り込む話
普通の男が身分を偽って裏社会に入り込み、抜け道のない関係に巻き込まれていく話。
ざっくり全体要約
FBI捜査官のドニーは、「ドニー・ブラスコ」という偽名を使い、ニューヨークのマフィア組織に潜り込む。最初は小さな役割から始まるが、次第に信頼を得て、幹部候補の左腕的な存在になっていく。その中心にいるのが、年を重ねたマフィアの男レフティ。仕事として近づいたはずの関係が、いつの間にか私的な情に変わっていき、ドニーは警察としての自分と、組織の一員としての自分の間で引き裂かれていく。
潜入捜査官という不安定な立場
ドニーは常に嘘をつき続けている状態。名前も過去も全部作り物で、油断すれば命に関わる。組織の中での振る舞いを覚えながら、同時に捜査官として情報を集める生活が続く。その二重構造が、精神的な余裕をどんどん奪っていく。
居場所を求めるマフィアの男
レフティは、組織の中で長く生き残ってきたけど、どこか報われていない男。大物になりきれず、それでも忠誠だけは失っていない。ドニーに目をかけ、仕事を教え、仲間として扱う。その関係が、ただの利用では片付けられない重さを持ち始める。
深まる信頼とズレていく本音
一緒に過ごす時間が増えるほど、二人の距離は近づいていく。ドニーは情報を引き出す立場なのに、レフティの愚痴や弱さを知り、簡単に切り捨てられなくなっていく。一方で、警察側からは成果を求められ、引き返すタイミングを失っていく。
逃げ場のない緊張の連続
組織の内部抗争や疑念が高まるにつれ、空気はどんどん重くなる。ちょっとした言動が疑いにつながり、常に命の危険がつきまとう。ドニー自身も、どこまでが演技で、どこからが本音なのか分からなくなっていく。
別れを前提にした終わり方
物語の終盤では、潜入が終わる時が近づいてくる。それは成功でもあり、同時に関係の終わりでもある。はっきりした救いがあるわけではなく、それぞれが別の場所へ進んでいく形になる。その余韻が長く残る。
この映画のポイントなに?
派手な抗争より、人と人の関係に重心が置かれているところが印象的。裏切りという言葉だけでは説明しきれない感情の揺れが続く。仕事としての正しさと、人としての情がぶつかり合う感じが強い。
たぶんこんな映画
クライムものだけど、銃より会話が効いてくるタイプ。観ているうちに、どちらの立場にも完全には寄れなくなるかもしれない。終わったあと、誰の人生だったんだろう、と少し考えたくなる映画っぽい。

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