愛と精霊の家

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ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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愛と精霊の家
(原題:The House of the Spirits)

作品データ
1993年|アメリカ|ドラマ
監督:ビレ・アウグスト
出演:メリル・ストリープ、ジェレミー・アイアンズ、アントニオ・バンデラス ほか

一つの家に、愛も暴力も歴史も全部詰め込まれる話

ある一家の物語を辿っていくと、個人の人生だけじゃなくて、国そのものの変化まで見えてくる。
この映画は、一つの家を中心に、愛や信念、抑えきれない力が何世代にもわたって積み重なっていく流れを描いていく。

家族の物語が、そのまま国の歴史に重なっていく

物語は、特別な感覚を持つ少女クララと、その家族から始まる。
やがてクララは地主エステバンと結婚し、子どもや孫へと時代が進んでいく。
家族の中で起こる愛、支配、対立が、社会の変化や政治の動きと絡み合っていく。
個人的な出来事が、気づけば大きな歴史のうねりに飲み込まれていく流れ。

精霊を見る女と、力で支配する男

クララは未来を予知したり、霊的な存在を感じ取ったりする不思議な女性。
現実に執着しすぎず、どこか浮世離れしたまま人生を受け止めていく。
一方エステバンは、土地や家族を力で守ろうとする強烈な意志の持ち主。
二人の価値観のズレが、家族の空気を少しずつ歪ませていく。

ラテンアメリカの国、激動の時代をまたぐ

舞台は明確に名指しされないものの、ラテンアメリカのある国。
農村から都市へ、保守から革命へと時代が大きく動いていく。
家の中の出来事と、外の世界の変化が同時進行で進む。
静かな家庭劇の裏で、社会は確実に緊張を増していく。

愛も怒りも、次の世代に受け継がれる

エステバンの行動は、家族の中に深い傷を残していく。
その影響は子どもや孫の世代まで続き、過去の選択が現在を縛っていく。
若い世代は、理想や正義を求めて行動し始める。
その中で、家族の愛が試される出来事が次々と起こっていく。

すべてを抱えたまま、時間が先に進む

物語の終盤では、暴力と弾圧が一気に現実のものになる。
家族は引き裂かれ、取り返しのつかない喪失を経験する。
それでも、語り継ぐこと、記憶することが未来につながっていく。
終わりは区切りというより、次の世代へ手渡される形に近い。

この映画のポイントなに?

一家の物語を通して、愛と権力、信念の衝突が重ねられている。
現実と霊的な感覚が自然に同居していて、不思議な浮遊感が続く。
個人の感情と政治が切り離されず、同じ線上で描かれるのも特徴。
アントニオ・バンデラスは、若さと理想を背負う存在として物語に関わってくる。

たぶんこんな映画

一気に理解するというより、流れに身を任せて観るタイプ。
家族の記憶と国の記憶が重なって、あとからじわじわ効いてくる。
観終わったあと、誰かの人生が長い時間をかけて続いていく感覚が残りやすい、そんな一本。

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