※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
恋のロンドン狂騒曲
(原題:You Will Meet a Tall Dark Stranger)
作品データ
2010年|イギリス・アメリカ|コメディ/ロマンス
監督:ウディ・アレン
出演:アンソニー・ホプキンス、ナオミ・ワッツ、アントニオ・バンデラス、フリーダ・ピント ほか
人生に迷った大人たちが、占いと恋に振り回される話
年を重ねた男女がそれぞれ「まだ何かあるはず」と思い始めて、占いの言葉や一瞬のときめきを信じた結果、日常が静かにズレていくところから始まる。
それぞれの願望が少しずつ空回りしてい
ロンドンに暮らす夫婦とその周囲の人たちが、それぞれの不満や欲望を抱えたまま動き出す。老後に不安を感じたアルフィーは若さを求めて家を出て、元妻ヘレナは占い師の言葉にすがるようになる。一方、娘のサリーは結婚生活に物足りなさを感じ、隣人の男性に心を寄せていく。全員が「今の自分より少し良い未来」を探して動くけど、思惑はなかなか噛み合わない。
若さにすがりたくなる夫
アルフィーは年齢を受け入れきれず、人生をやり直したい気持ちが先走るタイプ。健康法や若い女性との関係に希望を見出して、現実的な問題から目をそらしていく。
占いに救いを求める元妻
ヘレナは夫に捨てられた喪失感から抜け出せず、占い師の予言を心の支えにする。合理的とは言えない選択だけど、不安を抱えたまま日々を過ごすよりはマシ、という気持ちで動いている。
満たされない結婚生活に揺れる娘
サリーは安定した生活を送っているものの、創作の夢が叶わない現実に焦りを感じている。そんな中で出会った男性に理想を重ね、気持ちが少しずつ外に向いていく。
表向きは理想的な隣人
グレッグは成功していそうに見えるけど、内側には別の事情を抱えている人物。サリーとの距離が縮まるにつれ、お互いの期待と現実のズレが見えてくる。
ロンドンの街で交差する選択
舞台はロンドン。カフェや街角、アパートの一室で、登場人物たちの小さな決断が積み重なっていく。派手な事件は起きないけど、心の向きが少し変わるたびに関係性も動く。
良かれと思った行動が裏目に出る展開
占いを信じた選択、衝動的な恋、現実逃避の決断が、それぞれ予想外の形で跳ね返ってくる。誰かの幸せが、別の誰かの不安を生む構図が続いていく。
はっきりしないまま迎える終わり
物語の終盤でも、全員が納得のいく答えにたどり着くわけではない。それぞれが選んだ道の先に、少しの希望と少しの不安が同時に残る形。
人はなぜ信じたいものを信じるのか
この映画のポイントは、合理性よりも願望が行動を決めてしまう瞬間を描いているところ。占いも恋も、現実を直視するのが怖い時の逃げ道として機能している。
軽やかだけど皮肉が効いた群像劇
全体は軽いタッチで進むけど、後味は少しビター。大人たちの迷いを距離を置いて眺めるような感覚で終わっていく一本。

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