フィラデルフィア

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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フィラデルフィア
(原題:Philadelphia)

作品データ
1993年|アメリカ|ドラマ
監督:ジョナサン・デミ
出演:トム・ハンクス、デンゼル・ワシントン、アントニオ・バンデラス ほか

病気と偏見と裁判が、静かにぶつかり合う話

大きな声で叫ぶタイプの映画じゃない。
でも、じわじわ胸の奥に入り込んでくる。
一人の男が職を失った理由を追いかけるうちに、社会の視線や恐れが浮かび上がってくる。

解雇された理由を巡って、法廷に向かう

優秀な弁護士アンドリューは、ある日突然、法律事務所を解雇される。
表向きは仕事上のミスだけど、彼自身は別の理由を感じ取っている。
HIVに感染していること、そして同性愛者であること。
彼は差別を理由に訴訟を起こし、弁護士ジョーに弁護を依頼する。
二人は立場も価値観も違いながら、裁判を通して同じ方向を向いていく。

静かに闘う男と、揺れながら関わる弁護士

アンドリューは病気と闘いながらも、自分の尊厳を守ろうとする。
感情を爆発させるより、言葉と事実で伝えようとする姿勢が目立つ。
ジョーは当初、同性愛に対する偏見を持っていて、距離を保とうとする。
それでも関わるうちに、少しずつ考え方が揺れていく。

1990年代のフィラデルフィア、法廷と日常の間

舞台はフィラデルフィアの街。
法律事務所、裁判所、病院、そして私的な部屋。
公の場と個人的な空間が行き来しながら物語が進む。
当時の社会の空気が、会話や視線の端々から伝わってくる。

裁判が進むほど、見えなかったものが表に出る

法廷では、能力ではなく生き方が問題にされていく。
証言や質問を通して、周囲の恐れや無知が浮き彫りになる。
一方で、アンドリューの体調は確実に悪化していく。
時間が限られていることが、裁判の重みを増していく。

判決の先にある、個人としての尊厳

裁判は一つの結論にたどり着く。
それが全てを解決するわけではないけれど、意味は残る。
アンドリューは、自分がどう生きたかを周囲に残していく。
ジョーもまた、以前とは違う視点を持って前に進こうとする。

この映画のポイントなに?

病気や差別を声高に訴えるより、人と人の距離を丁寧に描いている。
説明的になりすぎず、感情が自然に積み重なっていく。
法廷劇でありながら、静かな人間ドラマとして進む。
トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンの対比も印象に残りやすい。

たぶんこんな映画

観ている間は淡々としているのに、後から効いてくるタイプ。
正しさを押しつけるより、考える時間を残してくれる。
誰かの立場に立つことの重さを、そっと突きつけてくる余韻が残りやすい一本。

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