ミモザの島に消えた母

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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ミモザの島に消えた母
(Boomerang)

作品データ
2015年|フランス|ヒューマンドラマ
監督:フランソワ・ファヴラ
出演:ロラン・ラフィット、メラニー・ロラン、オドレイ・ダナ ほか

忘れていた家族旅行が、静かに過去を掘り返してくる話

幼い頃に母を亡くした兄妹アントワーヌとアニエスは、久しぶりに家族と一緒に地中海の島を訪れる。観光と休暇のつもりだったはずの旅で、母の死に関する曖昧な記憶や、家族が長年触れずにきた違和感が少しずつ表に出てくる。穏やかな景色の中で、過去の出来事が現在と重なり、家族の関係が静かに揺れていく流れ。

記憶が薄い兄と、何かを感じ続けてきた妹

兄のアントワーヌは、母の死を「昔の事故」くらいの距離感で受け止めてきたタイプ。一方、妹のアニエスは、当時の記憶が曖昧なまま、ずっと引っかかりを抱えている。二人の温度差が、会話の端々や沈黙から伝わってきて、同じ出来事でも受け取り方が全然違うことが見えてくる。

太陽と海がきれいすぎるミモザの島

舞台になる島は、明るくて穏やかで、いかにも休暇向きの場所。家族は食事をし、散歩をし、昔話をする。でも、その明るさが逆に、過去の暗さを際立たせる。景色はずっと開放的なのに、話題だけが微妙に避けられている感じが続く。

ちょっとした違和感が、疑問に変わっていく

滞在中、昔の写真や当時の話がきっかけになって、母の死に関する説明が少しずつ食い違っていることが分かってくる。誰かが嘘をついているというより、都合の悪い部分を見ないようにしてきた空気が浮かび上がる。アニエスはその違和感を追い始め、アントワーヌも否応なく向き合うことになる。

家族が守ってきた沈黙の正体

調べが進むにつれて、母の死を巡る真実と、父や家族が取ってきた選択が明らかになっていく。それは衝撃的な秘密というより、長い時間をかけて固まってしまった沈黙そのもの。終盤では、それぞれがその事実をどう受け取るのかが、静かに示される。

この映画のポイントなに?

大きな事件を暴くミステリーというより、家族の中で共有されなかった感情を掘り起こしていく構成。説明しすぎず、登場人物の表情や間で伝えてくる場面が多い。過去を知ることが、必ずしもスッキリするわけじゃない感じが残る。

たぶんこんな映画

休暇映画みたいな始まり方なのに、気づいたら家族の核心に近づいているタイプの作品。派手な展開はないけど、観終わったあとに、自分の家族の昔話を思い出してしまうかもしれない。穏やかな景色と一緒に、少し重たい余韻が残りそう。

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