白い帽子の女

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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白い帽子の女
(By the Sea)

作品データ
2015年|アメリカ|ヒューマンドラマ
監督:アンジェリーナ・ジョリー・ピット
出演:ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー・ピット、メラニー・ロラン ほか

夫婦が海辺の町で、ほとんど会話しないまま時間だけを過ごす話

作家のローランと、その妻ヴァネッサは、関係が冷え切った状態で南フランスの海辺の町を訪れる。休暇のようでいて、実際は何かを立て直す目的も、はっきりした理由も見えないまま、二人は同じ部屋で過ごし続ける。町の人々や若い夫婦との関わりをきっかけに、抑え込んできた感情や過去の出来事が、少しずつ表に出てくる流れ。

何も書けない作家と、外に出られない妻

ローランはスランプ気味で、酒に逃げつつ、皮肉っぽい態度を崩さない。一方ヴァネッサは、心身ともに疲れ切っていて、部屋にこもりがち。二人は同じ空間にいながら、ほとんど噛み合わない。言葉にしない不満と諦めが、沈黙として積み重なっていく。

1960年代、陽射しは明るいのに空気は重い

舞台は1960年代の南仏のリゾート地。海やカフェ、ホテルのテラスは絵になるほど美しいけど、その明るさと夫婦の停滞が強く対比される。周囲の人々は楽しそうに日常を送っていて、その距離感が、二人の孤立をより際立たせる。

若い夫婦と覗き見がもたらす揺らぎ

滞在中、二人は新婚の若い夫婦と知り合い、彼らの関係を間近で見ることになる。さらに、偶然から他人の生活を覗き見るような状況が生まれ、それがヴァネッサの感情を刺激する。閉じていた気持ちが、少しずつ動き始め、ローランとの関係にも変化が出てくる。

隠してきた痛みと、向き合う時間

やがて、二人が抱えてきた過去の出来事や、言葉にできなかった痛みが明らかになっていく。それは一度で解決するようなものではなく、ただ「避けてきたものを見てしまった」感覚に近い。終盤では、夫婦がこの関係をどう続けるのか、その方向性が静かに示される。

この映画のポイントなに?

出来事は少なめで、感情の停滞や沈黙そのものが中心に置かれているところ。説明よりも、視線や間、風景で語る場面が多く、観る側に考える余白がかなり残されている。物語というより、状態を見続ける感覚に近い。

たぶんこんな映画

静かな関係の崩れや再確認をじっと見つめたいときに合いそうな作品。観終わったあと、言葉にしなかった感情について考え始めてしまう。波の音みたいに、後からじわっと残る余韻があるかもしれない。

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