※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
人生はビギナーズ
(Beginners)
作品データ
2010年|アメリカ|ヒューマンドラマ
監督:マイク・ミルズ
出演:ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ヴィシュニック ほか
父のカミングアウトをきっかけに、人生が静かに再起動する話
父を亡くしたばかりの男性オリヴァーは、彼の人生を振り返る中で、晩年に打ち明けられた秘密や、そこで起きた変化を思い出していく。一方でオリヴァー自身も、恋や仕事に対してどこか距離を置いたまま生きてきた。父の過去と現在、自分の現在とこれからが、記憶と現実を行き来しながら少しずつ重なっていく流れ。
遅すぎる告白をした父と、立ち止まった息子
父のハルは、妻を亡くしたあとに自分がゲイであることを息子に打ち明け、そこから一気に人生を開き直した感じになる。パーティーに出かけ、恋人を作り、今まで抑えてきたものを全部取り戻そうとする。一方のオリヴァーは、真逆で感情を抑え気味。父の変化を見ながら、どこか羨ましさと戸惑いを抱えている。
現在と過去が混ざり合うロサンゼルス
物語は現在のロサンゼルスと、オリヴァーの記憶の中の過去を行き来する構成。父が若かった頃、母が生きていた頃、家族がまだ揃っていた時間が断片的に差し込まれる。時間は直線的に進まず、思い出した瞬間にその時代へ戻る、そんな感覚で話が進む。
新しい恋と、古い記憶が同時に動く
オリヴァーは女優のアナと出会い、少しずつ距離を縮めていく。ただ、親密になるほど、父や母との記憶、過去の失敗が顔を出してくる。恋に踏み出したい気持ちと、また傷つくかもしれない不安が交互に現れて、関係はスムーズには進まない。
父の人生を受け取って、自分の選択をする
父の最期と、その後に残された言葉や記憶を通して、オリヴァーは「遅くても始められる」という事実を受け取る。何かを失ってからでも、人生の向きを変えることはできる。その気づきが、彼自身の選択を少しずつ後押ししていく形で、物語は静かに着地していく。
この映画のポイントなに?
大きな事件が起こるというより、気持ちの変化が積み重なっていく構成。父と息子、それぞれの人生が対比されながら描かれていて、過去の選択が今にどう影響しているのかが、さりげなく浮かび上がる。映像や音楽も含めて、感情を説明しすぎないところが特徴っぽい。
たぶんこんな映画
人生はいつからでもやり直せる、みたいな強いメッセージを押し付ける感じではなく、気づいたら少し前向きになっているタイプの作品。観終わったあと、昔の出来事を思い出しながら、今の自分を見直したくなる余韻が残りそう。

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