※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
グリニッチ・ビレッジの青春
(Next Stop, Greenwich Village)
作品データ
1976年|アメリカ|青春ドラマ
監督:ポール・マザースキー
出演:レニー・ベイカー、シェリー・ウィンタース ほか
過保護な母から逃げた青年が、夢見る仲間と新しい家族になる話
1953年、スターを夢見る青年ラリーは、息が詰まるほど過保護な母親の元を離れてグリニッチ・ビレッジへ引っ越す。そこには、俳優や画家、詩人など、それぞれの夢を抱えた若者たちが集まっていた。ラリーは彼らと出会い、ぶつかり合い、笑い合いながら、自分が何者になりたいのかを少しずつ掴んでいく。ハリウッドを目指すという大きな夢と、目の前の日常。その間で揺れ続ける青春が、仲間たちとの共同生活の中で描かれていく。
物語の主要人物
・ラリー・ラピンスキー(レニー・ベイカー)
スターを夢見てグリニッチ・ビレッジにやって来た青年
・フェイ・ラピンスキー(シェリー・ウィンタース)
ラリーの母親で、息子を強く支配しようとする存在
・サラ(エレン・グリーン)
ラリーの恋人となる女性
・アニタ(ロイス・スミス)
自殺未遂を繰り返す不安定な若者
・ロバート(クリストファー・ウォーケン)
気分屋の詩人として仲間内で存在感を放つ
・バーンスタイン(アントニオ・ファーガス)
ゲイで黒人の仲間として共同体の一員となる
1953年、母の支配から逃げてたどり着いた街
舞台は1953年のニューヨーク。ブルックリンで育ったラリーは、母フェイの過剰な干渉に耐えきれず、グリニッチ・ビレッジに部屋を借りる。そこは、いわゆる成功者ではないけれど、何かを目指している若者たちが集まる場所だった。俳優志望、画家志望、詩人。ラリーは彼らと出会い、自然と仲間になっていく。
夢見る若者たちとの共同生活と日々の騒動
ラリーの周囲には、風変わりで問題を抱えた仲間たちが集まってくる。自殺未遂を繰り返すアニタ、気分次第で行動するロバート、そしてバーンスタイン。恋人サラとの関係も含め、日常は穏やかとは言えない。それでも彼らは、役者として、芸術家として、それぞれの夢を語り合い、時には衝突しながら、一種の家族のような関係を築いていく。
ハリウッドを目指す夢と、残り続ける現実
ラリーはハリウッドで成功するという夢を捨てきれない。一方で、母フェイとの関係は完全には断ち切れず、過去は常に背後から引っ張ってくる。仲間たちもまた、夢と現実の間で揺れている。時間が進むにつれ、全員が同じ方向に進めるわけではないことが見えてくる。それでも、この街で過ごした時間が、ラリーにとって確かな意味を持つものだったことが、物語の終盤で静かに伝わってくる。
この映画のポイント
・1950年代グリニッチ・ビレッジの空気感
・夢を追う若者たちの共同生活
・母と息子の強すぎる結びつき
・成功よりも「過程」に焦点を当てた物語構成
たぶんこんな映画
全体を通して、派手な事件が続くわけではないけど、人と人が集まって暮らすことで生まれる感情の揺れが丁寧に描かれている。夢を語る時間と、現実に直面する瞬間が交互にやってきて、その間を行ったり来たりする感じがずっと続く。どこか雑多で、少し居心地が悪くて、それでも忘れがたい時間をそのまま切り取ったような一本。

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