ニューローズホテル

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ニューローズホテル
(New Rose Hotel)

作品データ
1998年|アメリカ|サイバーパンク/ドラマ
監督:アベル・フェラーラ
出演:クリストファー・ウォーケン、ウィレム・デフォー、アーシア・アルジェント ほか

企業戦争の裏で、人も感情も使い捨てにされていく話

企業同士の争いが国家よりも強くなった世界で、引き抜き屋の男たちは天才科学者を奪い合う。そのために使われるのは、金と嘘と、そして一人の女。計画は静かに進むが、裏切りと消失が重なり、最後に残るのは逃げ場のない孤独だけだった。

物語の主要人物

・フォックス(クリストファー・ウォーケン)
 企業間の人材引き抜きを生業とする男

・X(ウィレム・デフォー)
 フォックスの相棒で、冷静に状況を見ている人物

・サンディ(アーシア・アルジェント)
 通称「新宿ガール」と呼ばれるコールガール

・ヒロシ(天野喜孝)
 財閥に囲い込まれている天才科学者

企業に属するか、消されるかの世界

フォックスとXは、科学者を他社へ逃がす仕事を請け負う引き抜き屋。研究者は奪い合う価値があり、奪えないなら消す、そんな企業論理が当たり前になっている世界で生きている。次の標的は、マース財閥が抱える超天才ヒロシだった。

新宿ガールという切り札

ヒロシを動かすため、二人はサンディを雇う。彼女は「新宿ガール」と呼ばれ、誘惑と距離感を武器に相手の心に入り込む存在だった。Xは彼女にやり方を仕込み、フォックスは裏でホサカ財閥との取引を進める。計画はマラケシュへの逃亡をゴールに静かに進行していく。

崩れていく計画と、突然の喪失

しかし途中でサンディは姿を消し、事態は急変する。やがてフォックスは殺され、計画の全貌も真意も分からないまま、Xだけが取り残される。誰を信じ、どこで間違えたのか、その答えはもう誰からも得られない。

ニュー・ローズ・ホテルに残された男

逃げ場を失ったXは、自分が知る最も安全な場所として、寂れたカプセルホテル「ニュー・ローズ・ホテル」に身を潜める。そこで彼は、過去の映像や記憶を繰り返し再生しながら、サンディとフォックスの不在を噛みしめることになる。

この映画のポイント

・ウィリアム・ギブスン原作の空気感
・説明を削ぎ落とした断片的な構成
・企業と個人の力関係の歪さ
・映像と沈黙で進むサイバーパンク

たぶんこんな映画

派手な未来描写はほとんどなく、代わりに乾いた都市と人の不在が強く残る。何が起きたのか全部は語られず、余白ばかりが積み上がっていく。その分、観ている側が置き去りにされる感覚が強い。サイバーパンクというより、終わった後の世界を眺めているような一本。

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