※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
1492 コロンブス
(1492: Conquest of Paradise)
作品データ
1992年|フランス・スペイン合作|歴史・ドラマ
監督:リドリー・スコット
出演:ジェラール・ドパルデュー, アルマン・アサンテ, シガニー・ウィーバー ほか
世界の端を信じた男が、新しい世界を連れてきてしまう話
地球は丸いと信じ、西へ進めば未知の地に辿り着くと主張したコロンブス。信念だけで船を出し、新世界に到達するが、その「発見」は祝福と同時に破壊も連れてくる。理想に燃えた航海者が、やがて現実と権力、暴力に飲み込まれていくまでを描いていく。
物語の主要人物
・クリストファー・コロンブス(ジェラール・ドパルデュー)
西回り航路で新世界を目指した探検家。強い信念を持つが、統治者としては葛藤を抱える。
・イサベル1世(シガニー・ウィーバー)
スペイン女王。コロンブスに航海を許可し、その成果と限界を見守る立場にある。
・アドリアン・デ・モシカ(マイケル・ウィンコット)
コロンブスの部下。苛烈な支配を行い、植民地の対立を深めていく。
・ルイス・デ・サンタンヘル(フランク・ランジェラ)
航海を後押しした支援者。王権と現実の間を取り持つ存在。
誰も信じてくれない計画から、航海は始まる
地球が丸いと信じるコロンブスは、西へ進めばアジアに辿り着けると主張する。しかし学者や権力者からは相手にされず、船も人も集まらない。
それでも彼は支援者を頼り、イサベル女王に直接会い、黄金を持ち帰ることを約束することで航海の許可を得る。十分な説明もないまま集められた船員たちと共に、三隻の船は海へ出る。
期待と不安が限界まで引き延ばされる航路
航海は想定よりも長引き、陸地は見えない。九週間が過ぎ、船員たちは疑念と恐怖から反乱寸前になる。
それでもコロンブスは彼らを鼓舞し続け、やがて蚊や風といった小さな兆しが、陸地の存在を予感させる。そして霧の向こうから現れる島の光景が、すべてを一変させる。
発見の先にあったのは、支配と崩壊
新世界で原住民と出会い、友好関係が築かれる一方、コロンブスは植民地化を進めるため一部を残して帰国する。帰還後は栄誉を受けるが、黄金の少なさに不満も生まれる。
二度目の航海では大勢の人員を率いて戻るものの、残された入植者は全滅していた。やがて強制労働や暴力が横行し、原住民との関係は完全に崩れていく。内部対立も激化し、コロンブス自身も権力の座を追われる。
理想が語りに変わる、その終着点
帰国後、コロンブスは投獄され、再び航海に出る機会を与えられるものの、かつての栄光は失われていく。新大陸発見の功績も、別の名で語られるようになる。
老いたコロンブスの前で、息子フェルディナンドが父の物語を書き残そうとする場面が、この長い航海の意味を静かに締めくくる。
この映画のポイント
・信念だけで突き進む航海者の姿
・発見と同時に始まる植民地支配の現実
・理想と統治のズレが生む悲劇
・壮大な自然描写と人間の小ささ
・歴史が勝者の物語として残っていく感触
たぶんこんな映画
壮大な景色と音楽に包まれながら、だんだん気分が落ち着かなくなっていく。夢の話をしていたはずなのに、いつの間にか現実の重さが前に出てくる感じ。
観終わると「発見」って言葉の意味が、少しだけ複雑に思えてくる。そんな余韻が残る映画。

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