※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
マイ・ブラザー 哀しみの銃弾
(Blood Ties)
作品データ
2013年|フランス・アメリカ|クライム・スリラー
監督:ギヨーム・カネ
出演:クライヴ・オーウェン, ビリー・クラダップ, マリオン・コティヤール, ミラ・クニス, マティアス・スーナールツ ほか
更生しようとする兄と、守ろうとして壊れていく兄の話
刑務所から出てきた兄と、警察官として生きてきた弟。
血のつながりがあるだけで、立っている場所は真逆。
助けたい気持ちと、見捨てられない現実が少しずつズレていって、最後はどうやっても戻れないところまで行ってしまう。
兄弟の話だけど、わりと救いは少なめ。
ざっくり時系列
・クリスが長い服役を終えて出所する
↓
・刑事の兄フランクの家に身を寄せる
↓
・クリスが更生を目指すが現実に挫折する
↓
・再び犯罪に手を染め、兄が庇う
↓
・装甲車強盗事件が起き、兄弟が現場で交錯する
↓
・フランクが兄を撃って逃がし、警察を辞める
↓
・クリスが犯罪の世界でのし上がる
↓
・復讐と裏切りが兄弟を追い詰める
物語の主要人物
・クリス・ピアジンスキー(クライヴ・オーウェン)
長期服役を終えた兄。更生を望むが、現実に押し戻される。
・フランク・ピアジンスキー(ビリー・クラダップ)
弟でニューヨーク市警の刑事。兄を守ろうとして葛藤する。
・モニカ・ダマート(マリオン・コティヤール)
クリスの元妻。過去と現在の両方を背負っている存在。
・ナタリー(ミラ・クニス)
クリスの新しい恋人。彼の再出発に関わる人物。
・アンソニー・スカルフォ(マティアス・スーナールツ)
兄弟の周囲で不穏な影を落とす男。
出所から始まるぎこちない再スタート
1974年、刑務所から出たクリスは、警官の兄フランクの家で暮らし始める。
家族は再出発を願っているが、街も人間関係も簡単には受け入れてくれない。
元妻モニカとの再会や、過去の人間関係が、静かに足を引っ張ってくる。
守るための嘘が状況を悪化させる
金が必要になり、クリスは再び犯罪に近づいていく。
フランクは刑事としての立場を危うくしながらも兄を庇う。
その積み重ねが、装甲車強盗事件という決定的な夜につながる。
兄弟は同じ現場に立ち、同じ方向を向けなくなる。
撃たれた先に残る兄弟の距離
フランクは兄を撃ちながら逃がし、その代償として警察を辞める。
一方でクリスは犯罪の世界で地位を築いていく。
復讐と裏切りが絡み合い、兄弟は最後の選択を迫られる。
そこに待っているのは、和解よりも現実だった。
この映画のポイント
・兄弟関係が物語の中心
・更生という言葉の重さ
・助ける行為が裏目に出続ける構造
・70年代ニューヨークの湿った空気
・派手さより感情の消耗が残る展開
たぶんこんな映画
観ていて気持ちよくなるタイプではない。
でも、家族だから切れない関係のしんどさは妙にリアル。
静かに積み重なって、最後にズンとくるタイプのクライム映画。

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