※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
プロヴァンスの贈りもの
(A Good Year)
作品データ
2006年|アメリカ/イギリス|ロマンティック・コメディ/ドラマ
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ, マリオン・コティヤール, アビー・コーニッシュ, アルバート・フィニー ほか
成功しか信じてない男が、人生の味を思い出す話
ロンドンで数字だけを追いかけてきた男が、相続をきっかけにプロヴァンスへ戻る。
売るためだけの滞在だったはずが、人や土地やワインに足止めされる。
過去の記憶と現在の選択が交差して、気づけば「急いで帰る理由」が薄れていく。
勝ち続ける人生から、味わう人生へ向きを変えるまでの話。
物語の主要人物
- マックス・スキナー(ラッセル・クロウ)
ロンドンで成功したトレーダー。叔父の遺産整理でプロヴァンスへ来る - ファニー・シュナル(マリオン・コティヤール)
地元のカフェオーナー。マックスの滞在を揺さぶる存在 - クリスティ・ロバーツ(アビー・コーニッシュ)
ヘンリーの娘だと名乗る女性。ワインに強い関心を持つ - ヘンリー(アルバート・フィニー)
亡き叔父。回想の中でマックスの価値観を形作る
売るためだけに戻った、プロヴァンスの夏
幼い頃に過ごした叔父のブドウ園。
大人になったマックスは、感情を切り離して不動産を処理するつもりで戻ってくる。
ところが到着早々の事故や仕事のトラブルで、帰路は何度も遮られる。
焦れば焦るほど、土地に縛られていく感じが出てくる。
人とワインが、足を止めさせる
無愛想な醸造家、地元の女性ファニー、突然現れた相続人候補のクリスティ。
それぞれとのやり取りが、マックスのペースを崩していく。
特にワインの話題は象徴的。
かつて価値が分からなかった一本が、今は違って感じられる。
味覚が変わるのと同時に、時間の使い方もズレ始める。
一度は戻り、もう一度考える
最終的にマックスはロンドンへ戻り、元の世界に立ち返る。
だが、そこで見る成功の風景は、以前ほど魅力的じゃない。
飾りと本物の違いに気づいた瞬間、選択肢ははっきりする。
過去の記憶と現在の決断が噛み合い、物語はもう一度プロヴァンスへ向かう。
この映画のポイント
・仕事のスピードと土地の時間感覚の対比
・ワインを通じた価値観の変化
・回想が主人公の選択を後押しする構造
・派手な事件より、気持ちの移動が中心
たぶんこんな映画
全体的にゆっくり流れる。
劇的というより、少しずつズレていく感じ。
風景と空気で納得させてくるタイプ。
観終わると、ちょっと遠回りして帰りたくなる一本。

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