カポーティ|ざっくり時系列

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : カポーティ




カポーティ
(Capote)

作品データ
2005年|アメリカ合衆国・カナダ|伝記・ドラマ
監督:ベネット・ミラー
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン, キャサリン・キーナー, クリフトン・コリンズ・ジュニア, クリス・クーパー, ブルース・グリーンウッド


天才作家が最高傑作を書くために一線を越えてしまう話

トルーマン・カポーティは、ある一家殺害事件に取り憑かれ、その記録を「文学」に変えようとする。取材対象だったはずの殺人犯と深く関わるうちに、作品完成と人間的な情の間で身動きが取れなくなっていく。傑作を生み出す過程そのものが、彼自身を壊していく物語。

ざっくり時系列

一家殺害事件の記事に目を留める

事件を記録するためカンザスへ向かう

犯人たちに接近し取材を重ねる

特にペリー・スミスに強く惹かれる

裁判と死刑判決が下る

物語の結末が書けず停滞する

完成のために決定的な選択をする

処刑を見届け、作品は完成する

物語の主要人物

  • トルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)
     作家。事件を題材に新しい形のノンフィクションを目指す。
  • ネル・ハーパー・リー(キャサリン・キーナー)
     カポーティの幼なじみ。取材の同行者。
  • ペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・ジュニア)
     殺人事件の犯人の一人。カポーティが特別な感情を抱く。
  • アルヴィン・デューイ(クリス・クーパー)
     事件を担当する捜査官。
  • ジャック・ダンフィー(ブルース・グリーンウッド)
     カポーティの恋人。

好奇心と野心から始まる取材行

1959年、新聞で目にした一家殺害事件に強く惹かれたカポーティは、これを記録しようと決意する。幼なじみのネル・ハーパー・リーと共に現地へ向かい、事件関係者や捜査側に巧みに取り入っていく。彼の目的は単なる記事ではなく、誰も書いたことのない形の作品だった。

殺人犯との距離が近づくほど曖昧になる立場

犯人ペリー・スミスとの面会を重ねるうち、カポーティは彼の過去や内面に深く踏み込んでいく。理解しようとする姿勢は、次第に情や共感へと変わっていくが、同時に彼は作家として「必要な情報」を求め続けている。その二重構造が、関係をどんどん歪ませていく。

書くために必要だった結末と、その代償

裁判は長引き、死刑判決後も控訴が続く。物語の結末が決まらない限り、作品は完成しない。カポーティは、自分が何を待っているのかを自覚しながら、その瞬間を引き寄せてしまう。すべてを書き終えたとき、彼が手に入れたのは名声と、取り返しのつかない喪失だった。

この映画のポイント

  • 作家と取材対象の危うい関係
  • 成功と人間性が反比例していく構造
  • 静かで張り詰めた空気感
  • フィリップ・シーモア・ホフマンの存在感

たぶんこんな映画

派手な展開は少ないのに、ずっと息が詰まるような緊張が続く作品。創作って美しいだけじゃなく、かなり残酷な行為なんだと突きつけてくる。観終わったあと、傑作って誰の犠牲で成り立っているんだろう、って考えが頭から離れなくなる。

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