※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
レディ・キラーズ
(The Ladykillers)
作品データ
2004年|アメリカ合衆国|ブラックコメディ/犯罪
監督:ジョエル・コーエン
出演:トム・ハンクス, イルマ・P・ホール, マーロン・ウェイアンズ, J・K・シモンズ, ツィ・マー, ライアン・ハースト ほか
礼儀正しい教授が犯罪者を集めたら全員なぜか順番に消えていく話
信心深くて厳格な老婦人の家に、上品な口調の古典学教授が下宿人として現れる。実はこの教授、仲間を集めてカジノ強盗を企てる犯罪者。地下室で音楽の練習をしているふりをしながら、壁の向こうの金庫へトンネルを掘る計画だ。ところが計画が成功した瞬間から、最大の障害が「この家の大家さん」になる。殺すしかないはずなのに、なぜか誰も実行できず、くじ引きとドタバタの末、犯人たちが一人ずつ自滅していく。
ざっくり時系列
敬虔な老婦人マンソン夫人が下宿人を迎える
↓
教授ドールが古楽アンサンブルを名乗って仲間を連れてくる
↓
地下室からカジノ金庫へトンネルを掘り始める
↓
小さなトラブルが次々起こる
↓
トンネルが完成し、金庫から大金を盗み出す
↓
マンソン夫人に計画がバレる
↓
一味は夫人を殺す決断をする
↓
くじ引きで実行役を決めるが失敗
↓
仲間同士の争いで次々と事故が起こる
↓
全員が自滅し、教授も最後に転落する
↓
マンソン夫人が金を見つけ、寄付を決意する
物語の主要人物
・ゴールドスウェイト・ヒギンソン・ドール博士(トム・ハンクス)
古典学教授を名乗る犯罪グループのリーダー
・マーヴァ・マンソン(イルマ・P・ホール)
信心深く厳格な老未亡人、家の大家
・ゴーウェイン・マクサム(マーロン・ウェイアンズ)
カジノ内部に通じる粗野な男
・ガース・パンケーキ(J・K・シモンズ)
爆破担当の技師、よく喋る
・将軍(ツィ・マー)
寡黙なトンネル掘りの専門家
・ランプ・ハドソン(ライアン・ハースト)
力はあるが判断は直感頼みの男
下宿人は上品だけどやってることは強盗
舞台はアメリカ南部。マンソン夫人の家に現れたドール教授は、礼儀正しく知的で、いかにも信用できそうな人物。彼は古楽アンサンブルの練習場所として地下室を借りたいと言い、夫人は快く承諾する。だが地下室で行われていたのは音楽ではなく、川船カジノの金庫へ向かうトンネル掘りだった。
計画は成功するのに空気がどんどんおかしくなる
トンネル掘りはトラブル続きだが、なんだかんだで金庫には到達し、大金の強奪にも成功する。ところが逃げる直前、マンソン夫人がすべてを察してしまう。彼女は金を返して教会に行くか、警察に行くかを選べと言い、一味は追い込まれる。結局「殺すしかない」という結論になるが、誰もその役を引き受けたくない。
殺し役を決めたら全員が自滅していく
くじ引きで決めた実行役は次々と失敗し、口論や事故が連鎖する。銃の暴発、足を滑らせる、勘違いする、タイミングがずれる。結果、犯罪者たちは一人ずつ橋の下の船へと落ちていき、最後に残ったドール教授も、詩を朗読している最中に思わぬ形で命を落とす。誰も手を下していないのに、全員が消えていく。
この映画のポイント
・犯罪計画が順調なのに人間関係だけが崩れていく
・悪事を働く側が延々と不器用
・信仰心と倫理が物理的に強すぎる世界
・偶然と勘違いが連鎖する構造
・死が重くならず、全部がブラックな笑いになる
たぶんこんな映画
頭が良さそうな犯罪者たちが集まったのに、最後まで一度も思い通りにならない。悪いことをしているはずなのに、見ている側はなぜか肩の力が抜けていく。因果応報をものすごく遠回りで見せられる、不思議に軽いブラックコメディ。観終わると「結局、あのおばあちゃんが一番強かったな…」ってなるやつ。

コメント