※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
マイケル・コリンズ
(Michael Collins)
作品データ
1996年|アイルランド/アメリカ/イギリス|伝記・歴史ドラマ
監督:ニール・ジョーダン
出演:リーアム・ニーソン,エイダン・クイン,スティーヴン・レイ,アラン・リックマン,ジュリア・ロバーツ ほか
独立のために戦い、交渉し、最後は仲間に撃たれた男の話
20世紀初頭のアイルランド独立運動の中心にいたマイケル・コリンズの数年間を、一気に描き切る映画。武装闘争の現場で動く男でありながら、政治と交渉の最前線にも立ち続ける。その選択は味方を救い、同時に味方を敵に変えていく。英雄として語られる一方で、分断の象徴にもなってしまった男の姿が、かなり正面から描かれる。
ざっくり時系列
1916年のイースター蜂起が鎮圧される
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独立運動の指導者たちが処刑・投獄される
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選挙勝利をきっかけに独立戦争が始まる
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コリンズがIRAの情報戦を指揮する
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暗殺と報復が激化する
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イギリスとの停戦が成立する
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ロンドンで英愛条約が結ばれる
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条約を巡って独立派が分裂する
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内戦の中でコリンズが暗殺される
物語の主要人物
・マイケル・コリンズ(リーアム・ニーソン)
独立運動の指導者で、IRAの情報戦を担う中心人物
・ハリー・ボーランド(エイダン・クイン)
コリンズの盟友で独立運動の活動家
・ネッド・ブロイ(スティーヴン・レイ)
イギリス側にいながら独立運動に協力する警官
・エイモン・デ・ヴァレラ(アラン・リックマン)
独立派の政治指導者で、後にコリンズと対立する
・キティ・キーナン(ジュリア・ロバーツ)
コリンズの恋人
蜂起の失敗から始まる、新しい戦い方
1916年のイースター蜂起は失敗に終わり、指導者たちは処刑される。投獄を経て解放されたコリンズは、正面からの戦争では勝てないと悟り、情報戦とゲリラ戦を軸にした戦いを組み立てていく。密告、暗殺、裏切りが日常になり、街そのものが戦場になっていく。
暗殺と報復が生む、止まらない連鎖
コリンズの指揮のもと、IRAはイギリスの諜報網を次々と崩していく。その一方で、ブラック・アンド・タンズによる市民への報復が激化し、クローク・パークでの虐殺へとつながる。勝っているようで、誰も得をしていない状況が続いていく。
条約という「勝利」と、決定的な分裂
停戦の末、コリンズはロンドンで英愛条約に署名する。完全独立ではないが、現実的な前進として彼は受け入れた。しかしデ・ヴァレラをはじめとする強硬派はこれを裏切りと捉え、独立派は真っ二つに割れる。かつての仲間同士が武器を向け合い、内戦が始まる。
和解を求めた先で迎える最期
内戦を止めようと、コリンズは単身でウェスト・コークへ向かう。しかしその道中で待ち伏せを受け、射殺される。彼の死は、独立の象徴であると同時に、分断の深さを物語るものだった。物語は、祝福されるはずだった未来が失われた瞬間で終わる。
この映画のポイント
・実在の人物を中心に据えた骨太な歴史描写
・情報戦と政治交渉の両面を描いている
・英雄と裏切り者の境界が揺れ続ける構成
・内戦に至る過程を丁寧に追っている
たぶんこんな映画
歴史の教科書に名前が載る人物が、すごく人間臭く見えてくる一本。正しい選択が何だったのかは簡単に答えが出ないけど、その迷いごと描いている感じがある。重たいけど、最後まで目が離れないタイプの歴史ドラマ。

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