狼の血族|ざっくり時系列

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : 狼の血族




狼の血族
(The Company of Wolves)

作品データ
1984年|イギリス|ゴシック・ファンタジー/ホラー
監督:ニール・ジョーダン
出演:サラ・パターソン,アンジェラ・ランズベリー,デヴィッド・ワーナー,ミカ・ベルジェーズ ほか

少女の夢の中で、おとぎ話が少しずつ牙をむく話

現代に生きる少女が見る夢の中で、赤ずきんを思わせる物語が何層にも重なって進んでいく。森、狼、祖母の警告、そして誘惑。無邪気なおとぎ話だったはずの世界は、成長と欲望、恐怖が入り混じる場所へと姿を変えていく。夢と現実、語りと体験が絡み合いながら、少女自身が変わっていく過程が描かれる。

ざっくり時系列

少女が夢の中で18世紀の森にいる

妹が狼に殺される

祖母から森の掟を教えられる

村で狼と人間の境界が揺らぐ出来事が起きる

少女が祖母の家へ向かう

眉毛が合う猟師と出会う

祖母が殺され、正体が明らかになる

少女自身が狼へと変わる

夢と現実が重なり、目を覚ます

物語の主要人物

・ロザリーン(サラ・パターソン)
 夢の中で森を旅する少女

・おばあちゃん(アンジェラ・ランズベリー)
 ロザリーンに警告と物語を語る祖母

・猟師/狼男(ミカ・ベルジェーズ)
 森でロザリーンと出会う謎の男

・父親(デヴィッド・ワーナー)
 夢の外側でロザリーンの父として存在する

夢の森と、祖母の不吉な忠告

ロザリーンは夢の中で、両親や妹とともに森の近くで暮らしている。妹が狼に殺されたあと、彼女は祖母の元へ行き、赤いショールと共に数々の忠告を授かる。道を外れるな、落ちたリンゴを食べるな、眉毛が合う男を信用するな。どれも曖昧で、どこか意味深だ。

狼と人間の境界が揺らぐ村

村では牛が狼に襲われ、捕らえられた狼は人間の姿に変わる。人と獣の違いが曖昧になり、ロザリーンの世界は少しずつ不穏さを増していく。祖母が語る挿話の数々も、すべて狼男と欲望、裏切りに結びついている。

赤いショールの先で待つ変化

祖母の家へ向かう途中、ロザリーンは眉毛が合う猟師と出会う。彼は先に家へ着き、祖母を殺し、獣の本性を現す。恐怖と惹かれる気持ちが入り混じる中で、ロザリーンは彼と向き合い、やがて自分自身も狼へと変わっていく。森に逃げ込む彼女の姿は、逃走でもあり、選択でもある。

この映画のポイント

・赤ずきんを下敷きにした多層的な物語構造
・夢の中で語られる挿話が本筋と重なっていく
・人間と狼の境界をテーマにした描写
・寓話的で視覚的に強いイメージ

たぶんこんな映画

怖いというより、じっと見ていると意味が染み込んでくるタイプ。おとぎ話を大人になってから読み返したような感覚があって、森や狼が単なる怪物じゃなく見えてくる。夢の中で語られる物語として、静かに印象に残る一本。

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