インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
(Interview with the Vampire)

作品データ
1994年|アメリカ|ゴシック・ホラー/ドラマ
監督:ニール・ジョーダン
出演:トム・クルーズ、ブラッド・ピット、
キルスティン・ダンスト、アントニオ・バンデラス ほか


夜のインタビューから始まる長い告白

この映画は、
現代のサンフランシスコで行われる
一本のインタビューから始まる。

語り手はルイ。
200年以上生き続けてきたヴァンパイア。

彼は自分の人生
というより「不死の時間」を、
淡々と語り始める。

ここでまず分かるのは、
この映画が
ホラーよりも告白と回想の物語だということ。


ルイという男:生きることに耐えられない存在

18世紀のルイは、
愛する家族を失い、
生きる意味を見失っている。

そこに現れるのが、
レスタト。

彼は死にたがるルイを
半ば強引にヴァンパイアに変える。

ルイは不死を得るけど、
同時に
「人を殺して生きる」という呪いも背負う。

彼は血を吸うことに耐えられず、
自責と嫌悪を抱えたまま生き続ける。


レスタトという存在の圧倒的な暴力性

トム・クルーズ演じるレスタトは、
この映画の空気を完全に支配する存在。

享楽的で、残酷で、魅力的。
生きることを全肯定しているようで、
他人の自由は一切尊重しない。

彼にとって不死とは
「好き放題に生きられる時間」。

ルイにとっては
「終わらない苦悩」。

このズレが、
2人の関係をどんどん歪ませていく。


永遠に成長できない少女、クローディア

物語の転換点になるのが、
少女クローディアの存在。

病で死にかけていた彼女を、
レスタトはヴァンパイアに変える。

見た目は永遠に少女。
中身だけが、大人になっていく。

この設定が、
この映画で一番残酷な部分。

成長できない体。
終わらない時間。
奪われた「未来」

クローディアはやがて、
自分をこんな存在にしたレスタトを
激しく憎むようになる。


家族ごっこの崩壊と、逃避行

ルイ、レスタト、クローディアは
疑似家族のような形で暮らすけど、
それは長く続かない。

クローディアはレスタトを殺そうとし、
ルイと共にヨーロッパへ逃げる。

ここから物語は、
アメリカ南部のゴシックな世界から、
より退廃的なヨーロッパへ移っていく。


ヴァンパイア社会の「正しさ」が突きつけられる

パリで出会うのが、
アントニオ・バンデラス演じるアーマンド。

彼が率いるヴァンパイア劇団は、
人間を捕食することを
ルールとして受け入れている。

ルイのような
「悩むヴァンパイア」は、
彼らの世界では異端。

ここで映画は、
「良心を持ったまま不死でいることは可能か」
という問いを、さらに追い詰める。


クローディアの最期と、完全な孤独

クローディアは捕まり、
処刑される。

このシーンは、
ホラーとしても、
感情的にもかなり重い。

ルイは
またしても大切な存在を失い、
完全な孤独に近づいていく。

不死とは、
失う回数が無限に増えること。


現代に戻っても、救いはない

インタビューが終わっても、
ルイは救われない。

語ったからといって、
過去は消えない。

インタビュアーは
むしろヴァンパイアになることを望み、
欲望の連鎖は続いていく。


この映画が描いているもの

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は、
ヴァンパイア映画の形を借りた
**「生き続けることへの呪い」**の話。

不死は祝福じゃない。
選べない人生が、
永遠に続く地獄。

美しくて、退廃的で、
ひたすら哀しい。

だからこの映画、
ホラーなのに
なぜか胸に残る。

血よりも、
後悔と孤独の匂いがする作品。

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