愛する人|ざっくり時系列

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




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愛する人
(Mother and Child)

作品データ
2009年|アメリカ合衆国/メキシコ|ドラマ
監督:ロドリゴ・ガルシア
出演:アネット・ベニング, ナオミ・ワッツ, ケリー・ワシントン, ジミー・スミッツ, サミュエル・L・ジャクソン ほか

手放した母、手放された娘、迎えたい母が静かにつながる話

14歳で子どもを手放した女性、その子として育ち大人になった女性、そして子どもを迎えたいと願う女性。3人は別々の人生を歩いているのに、同じ養子縁組という一点を中心に、時間差でつながっていく。誰も悪者にならないまま、選択の重さだけが残り続ける物語。

ざっくり時系列

10代のカレンが妊娠し、子どもを養子に出す

大人になったカレンは人と距離を置いて生きる

娘エリザベスは孤独を抱えたまま成長する

エリザベスが既婚男性と関係を持ち妊娠する

ルーシーは養子を迎える準備を進める

出産をめぐって関係と計画が崩れていく

エリザベスが出産を迎える

赤ん坊はルーシーに託される

時を経て、カレンが孫の存在を知る

物語の主要人物

・カレン(アネット・ベニング)
 10代で子どもを手放し、その選択を抱え続けてきた女性

・エリザベス(ナオミ・ワッツ)
 養子として育ち、強がりながら孤独を生きる女性

・ルーシー(ケリー・ワシントン)
 母になることを強く願い、養子縁組に向き合う女性

・パコ(ジミー・スミッツ)
 カレンの夫となり、彼女を支え続ける存在

・ポール(サミュエル・L・ジャクソン)
 エリザベスと関係を持つ既婚の男性

手放したあとも、母である時間は続く

若い頃に子どもを養子に出したカレンは、その後もずっと心を閉ざしたまま生きている。人と関わることに臆病で、不安と怒りが先に立つ。それでもパコとの出会いをきっかけに、少しずつ他人を信じる余地が生まれていく。

手放された側の、歪んだ強さ

エリザベスは優秀で自立しているように見えるが、感情を切り離して生きている。妊娠という出来事が起きても、誰かに頼ることを選ばない。母になろうとする気持ちと、誰にも縛られたくない衝動が、彼女の中でぶつかり続ける。

迎えたいと願う気持ちの行き場

ルーシーは母になることを心から望んでいる。養子縁組の過程で期待と不安を何度も味わい、それでも前に進もうとする。思い通りにいかない現実に直面しながら、彼女は「母になる」という選択を手放さない。

この映画のポイント

・3人の女性の物語が時間差で重なっていく構成
・善悪では割り切れない選択が中心にある
・母であること、母になれなかったことの両面を描く
・感情を抑えた会話と静かな演出

たぶんこんな映画

大きな事件で泣かせにくるというより、あとからじわっと効いてくるタイプ。誰かの選択が、別の誰かの人生を静かに形作っているのが見えてくる。観終わると、「母になる」って言葉の意味が、少し広がって感じられる映画。

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