※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
パルプ・フィクション
(原題:Pulp Fiction)
作品データ
1994年|アメリカ|クライム
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン、ブルース・ウィリス ほか
会話と偶然が、銃より先に飛び交う夜
銃声や血の匂いよりも、まず耳に残るのが会話。
どうでもよさそうで、なぜか頭から離れないやり取りが続いて、気づくと場面が切り替わっている。
物語が一直線に進まないぶん、断片がぶつかり合って、夜のロサンゼルスが少しずつ形を変えていく感じがある。
殺し屋ふたりと、奇妙に長い一日
黒スーツの殺し屋コンビが、ある“仕事”を片付けに向かうところから話が転がり始める。
道中の雑談は軽くて、仕事は物騒。
なのに、そのギャップが妙に自然に並んでいる。
小さな判断や偶然が重なって、予定していなかった方向へ話がずれていく。
ボスの奥さんと、忘れられない夜
場面が変わると、ボスの奥さんと食事に行く役目を任された男の話が出てくる。
レストランの雰囲気、音楽、ダンス。
楽しげに見える時間の裏で、取り返しのつかないトラブルが起きてしまう。
この一件が、登場人物たちの関係を一気に歪ませていく。
ボクサーの逃走と、街の裏側
別の時間軸では、試合で八百長を拒んだボクサーが街から逃げようとする。
お金を持って、恋人と一緒に去るだけのはずが、過去と偶然に何度も引き戻される。
ここでも、選択のズレが次の事件を呼び込んでいく。
時間が前後しながら、線がつながる
この映画、出来事の順番がバラバラ。
さっき死んだはずの人が、次の場面では普通に歩いていたりする。
最初は混乱するけど、話が進むにつれて、「あ、ここでつながるのかも」と気づく瞬間が増えてくる。
断片が集まって、円を描くように物語が戻ってくる感じ。
ラストは、日常に戻る直前で止まる
最後は、銃を突きつけ合う緊張の中で、意外と静かなやり取りが交わされる。
暴力よりも言葉が前に出てきて、選択ひとつで空気が変わる。
全部が解決するわけじゃないけど、ひとつの区切りはついたようにも見える。
たぶんこんな映画
派手な事件よりも、出来事と出来事の間にある会話が強く残る作品。
順番が崩れているからこそ、何度か観るたびに印象が変わりやすい。
真剣な場面とくだらない瞬間が同じ重さで並んでいて、その混ざり方を楽しむ時間が続く。
観終わったあと、どの場面が一番だったかを人と話したくなるタイプの一本。

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