※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
レザボア・ドッグス
(原題:Reservoir Dogs)
作品データ
1992年|アメリカ|クライム
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーヴ・ブシェミ ほか
スーツ姿の男たちが、信頼を切り刻んでいく話
全員が黒いスーツに身を包んで、名前は色で呼び合う。
それだけでちょっと只者じゃない空気が漂うんだけど、実際に起きているのは、派手なアクションというよりも、疑心暗鬼がじわじわ広がっていく時間。
誰かが嘘をついているかもしれない、という前提だけで、場の温度がどんどん上がっていく感じが続いていく。
宝石強盗のはずが、何かがおかしい
物語は、宝石店の強盗が失敗した直後から始まる。
計画は完璧だったはずなのに、警察の動きが早すぎる。
逃げ延びた男たちは、あらかじめ決められていた倉庫に集まるけど、そこには負傷者もいて、空気はかなりピリピリしている。
「この中に警察の犬がいるんじゃないか?」
そんな疑いが、自然と全員の頭に浮かんでくる。
色のコードネームと、崩れていくチーム
ミスター・ホワイト、ミスター・オレンジ、ミスター・ブロンド…。
本名を知らないからこそ、仕事として割り切れるはずだった関係が、逆に足かせになっていく。
誰が何を見て、どこで何をしていたのか。
それぞれの証言が少しずつ食い違っていて、そのズレが疑念を加速させていく。
特に、異様に冷酷な行動を見せる人物の存在が、場をさらに不安定にしていく。
時系列が前後しながら、真相に近づいていく
この映画、話が一直線に進まない。
現在の倉庫での出来事と、強盗前のやり取り、各キャラクターの過去が、少しずつ挟み込まれていく。
そのたびに、「あ、この人はこういう立場だったのかも」と見え方が変わる。
全部が説明されるわけじゃないけど、断片が重なっていくことで、全体像がぼんやり浮かび上がってくる感じ。
ラストは、疑いが行き着くところまで行く
疑念が疑念を呼んで、信頼はほとんど残らなくなっていく。
誰を信じるか、誰を切り捨てるか。
その選択が一気に噴き出す場面があって、物語はかなり張り詰めた状態で終わりを迎える。
すっきり解決というより、「こうなるしかなかったのかも」と思わせる余韻が残る。
たぶんこんな映画
強盗そのものよりも、人間関係が壊れていく瞬間をじっと見せられる映画。
会話が多くて、同じ場所にいる時間も長いのに、不思議と退屈しにくい。
誰かが銃を構えるたびに、物理的な緊張よりも心理的な緊張のほうが先に来る感じがする。
観終わったあと、スーツ姿の男たちが円になって立っている絵だけが、妙に頭に残るタイプの一本。

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