※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
荒野にて
(原題:Lean on Pete)
作品データ
2017年|アメリカ/イギリス|ドラマ
監督:アンドリュー・ヘイ
出演:チャーリー・プラマー、スティーヴ・ブシェミ、クロエ・セヴィニー ほか
行き先は分からないけど、止まれない
居場所が定まらないまま、
気づいたら道の上に立っている。
目的地よりも、
今ここにいられなくなった理由の方がはっきりしている。
そんな始まり方の映画。
ゆるっと要約
少年チャーリーは、父と二人で各地を転々としながら暮らしている。
ある競馬場で仕事を手伝ううちに、
勝てなくなった競走馬ピートと関わるようになる。
生活は不安定で、大人たちはそれぞれ余裕がなく、
やがてチャーリーは一人で移動する状況に追い込まれる。
ピートを連れて旅に出た彼は、
行き場のないまま、ただ前へ進み続ける。
チャーリーの視点
チャーリーは、
多くを語らない。
でも、表情や行動から、
「ここに居続けたい」「誰かと繋がりたい」気持ちがにじむ。
大人の事情や都合は、
説明される前に結果として降ってくる。
理解するより先に、
受け止めるしかない状況が続く。
ピートという存在
ピートは、
勝てない競走馬として扱われている。
役に立たないと判断された瞬間、
価値が急に下がる。
チャーリーにとっては、
数少ない心を預けられる相手で、
言葉のいらない関係。
一緒にいることで、
かろうじて自分を保っている感じがある。
道の途中で出会うもの
旅の途中で、
親切そうな人、危うい人、無関心な人に出会う。
助けられることもあるけど、
長く続く関係にはならない。
荒野や街道の風景が広く映されて、
自由そうに見える一方、
孤独も同時に強調される。
現実の重さ
時間が経つにつれて、
理想や期待は少しずつ削られていく。
どうにかなる、という感覚が薄れ、
それでも進まざるを得ない状況が続く。
選択しているようで、
実は選択肢がほとんどない、
そんな状態が続いている。
終盤の空気
物語は、
劇的な解決を用意しない。
辿り着いた場所も、
完全な救いとは言い切れない。
それでも、
一つの区切りとして、
静かな着地が置かれる。
希望というより、
受け止めた、という感触に近い。
たぶんこんな映画
成長の話だけど、
前向きさだけでは進まない。
優しさも厳しさも、
同じ道の上に並んでいる。
荒野を歩く距離そのものが、
心の状態みたいに残る映画。

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