※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ジャッキー・ブラウン
(原題:Jackie Brown)
作品データ
1997年|アメリカ|クライム
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:パム・グリア、サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・フォスター、ロバート・デ・ニーロ ほか
銃声より先に、人生の重さが滲み出てくる
この映画、最初からガンガン盛り上げるというより、ゆっくりと人の立場や年齢が滲んでくる。
派手な会話はあるけど、どこか落ち着いた空気が流れていて、登場人物たちが背負ってきた時間がそのまま画面に乗っている感じ。
スーツ姿の緊張感というより、長く続いた人生の選択が静かにぶつかり合っていく。
客室乗務員のジャッキーと、危うい日常
主人公は、中年の客室乗務員ジャッキー・ブラウン。
表向きは普通に働いているけど、裏では武器商人の金を運ぶ役をしている。
ある日、その金の運び方が警察に目をつけられてしまって、一気に状況がきな臭くなる。
ここから、彼女がどう動くかで、全員の運命が少しずつズレていく。
警察と武器商人、その間で揺れる立場
警察は協力を迫ってくるし、武器商人は信用していない。
どちらにも完全には属せない中で、ジャッキーは自分の立ち位置を探っていく。
誰の言葉を信じるか、どこまで本音を見せるか。
会話の一つひとつが、後の展開に響いてくる感じが続く。
保釈保証人との、静かな距離感
この話に、保釈保証人の男が絡んでくる。
派手に助けるわけでも、感情をぶつけるわけでもないけど、少しずつ距離が縮まっていく。
同じように年を重ねてきた者同士だからこそ、言葉にしない部分が多い。
その沈黙が、妙に心地よく見えてくる場面もある。
空港で交差する思惑と、計画の実行
物語の山場は、空港でのやり取り。
同じ出来事が、違う視点から何度か描かれて、誰が何を見ていたのかが徐々に明らかになる。
計画はシンプルに見えるけど、人の欲や油断が混ざって、少しずつ形を変えていく。
そのズレが、緊張を生んでいく。
ラストは、静かな選択のあとで
最後に残るのは、大きな爆発というより、選択の結果。
誰が得をして、誰が置いていかれたのか。
全部が説明されるわけじゃないけど、それぞれが自分なりの着地点に向かったようにも見える。
音楽が流れる中で、余韻だけが残る。
たぶんこんな映画
若さや勢いよりも、積み重ねてきた時間が前に出てくる作品。
会話と間が多くて、動きは控えめなのに、不思議と目が離れにくい。
誰かが大声を出さなくても、選択ひとつで流れが変わる感じが続く。
観終わったあと、静かに「この先どうするんだろうな」と想像してしまうタイプの一本。

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