※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ランブルフィッシュ
(Rumble Fish)
作品データ
1983年|アメリカ|青春/ドラマ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マット・ディロン、ミッキー・ローク、ダイアン・レイン ほか
伝説の兄を追いかける弟が街でくすぶる話
街では名前だけがやたらと有名な兄がいて、
その背中を追いかける弟が、同じ場所をぐるぐる回り続けている。
喧嘩、仲間、夜の街。
抜け出したい気持ちと、離れられない感じがずっと並走している。
何が起きるかをかなりまとめると
弟のラスティ・ジェームズは、兄モーターサイクル・ボーイの伝説を信じて生きている。
兄はしばらく街から消えていたけど、ある日ふらっと戻ってくる。
再会をきっかけに、弟は再び喧嘩や抗争の世界に足を踏み入れ、
街の空気も人間関係も、じわじわと不安定になっていく。
衝動で動く弟と、世界がズレて見える兄
ラスティは感情が先に出るタイプで、
喧嘩も恋も、その場の勢いで突っ込んでいく。
一方の兄は、色んなものを見すぎたのか、
周囲と同じ景色を見ていないような雰囲気がある。
兄弟なのに、立っている場所が少しずつ違っている。
抜け道のない街が舞台
物語の舞台は、どこへ行っても同じような路地と建物が続く街。
夜が多くて、光は少なめ。
バイク、バー、空き地。
移動しているはずなのに、同じ場所に戻ってきてしまう感じが強い。
喧嘩と衝突が繰り返される
兄の帰還で、街の均衡が崩れ始める。
昔の因縁、若者同士の対立、
ちょっとした挑発がすぐに暴力に変わる。
弟は兄に近づこうとして、
気づかないうちに同じ危うさをなぞっていく。
憧れが壊れるところで終わる
物語の終盤で、弟は兄の現実的な姿を目の当たりにする。
伝説だと思っていた存在が、
実はこの街に居場所を持っていないことも見えてくる。
その出来事をきっかけに、
弟は街に残るか、外へ出るかを考えざるを得なくなる。
この映画のポイントは感情の置き場のなさ
青春映画だけど、成長した感じはあまり前面に出ない。
どうしても収まりきらない感情が、
映像や音でそのまま流れていく。
白黒映像と色の使い方も、その不安定さを強調している。
たぶんこんな映画
何かを目指して突き進む話というより、
憧れが現実に触れて壊れていく過程を眺める感覚に近い。
観終わったあと、
「この街にいたら自分はどうなってたんだろう」と
少し考えてしまうタイプの映画かもしれない。

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