※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
天使のくれた時間
(The Family Man)
作品データ
2000年|アメリカ|ファンタジー/ドラマ
監督:ブレット・ラトナー
出演:ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ、ドン・チードル ほか
バリバリの独身エリートが突然パパになる話
仕事だけで生きてきた男が、ある朝目を覚ますと、なぜか知らない家で、知らない家族に囲まれている。スーツも高級車も消えて、代わりにあるのは子どもと犬と、慣れない日常。どう考えても人生の路線変更が起きている。
ざっくり全体要約
ウォール街で成功している独身エリートの主人公が、謎の人物との出会いをきっかけに、もし昔の恋人と別れず家庭を選んでいたら、という別の人生を体験することになる。突然始まった家族持ちの生活に戸惑いながら、仕事もお金も立場も違う日々を送るうちに、少しずつ価値観が揺れていく。そして一定の時間が過ぎたあと、彼は元の人生に戻るかどうかの選択に直面する。
成功者モードの男と、もう一つの人生の自分
主人公は合理的で結果重視、感情は後回しにしがちなタイプ。ところが家庭を持つ世界では、父親としても夫としても未熟な状態からのスタートになる。昔の恋人は現実的で地に足のついた存在として描かれ、子どもたちは遠慮なく日常をぶつけてくる。その全員が、主人公のペースを容赦なく崩していく。
高層ビルから郊外の家へ
舞台はニューヨークの都会的な環境から、郊外の住宅街へと一気に切り替わる。忙しさの質も変わり、会議や契約ではなく、学校行事や買い出し、近所付き合いが中心になる。場所の変化そのものが、人生の別ルートを可視化している感じが続く。
うまくいかない日常が積み重なる
最初は全てが噛み合わず、仕事では評価されず、家では失敗を重ねる。思った通りに進まない日々の中で、主人公は苛立ちつつも、少しずつ「成果」以外のものに目が向き始める。家族との時間が、知らないうちに感情の基準を変えていく。
元の人生に戻れる朝
やがてこの生活が永遠ではないことが示され、主人公は元の成功した人生に戻る。すべてが元通りになったはずなのに、見える景色は以前と同じではない。体験した時間が、選択の重さとして残り、彼は自分が何を求めているのかを改めて考えることになる。
この映画のポイントなに?
もしも、という仮定を一気に現実として見せてくる構成が特徴的。人生の成功と幸福を天秤にかけるというより、比べてしまう心そのものを揺らす作りになっている。派手さよりも、じわじわ効いてくるタイプ。
たぶんこんな映画
年末の夜に観ていると、少し部屋が静かになる感じ。今の選択が悪いとか正しいとかではなく、別の道も確かに存在していたかもしれない、そんな余韻が残る一本。

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