※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

キング・ホステージ
(Arsenal/Southern Fury)
作品データ
2017年|アメリカ合衆国|スリラー
監督:スティーヴン・C・ミラー
出演:ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、エイドリアン・グレニアー ほか
兄弟の過去が爆発して、取り返しのつかない抗争に巻き込まれる話
表向きは普通の人生を送っていたはずなのに、昔の因縁が突然よみがえる。
一度ズレ始めた歯車は止まらなくて、話はどんどん物騒な方向へ転がっていく。
ニコラス・ケイジが、かなり危ないテンションの男として出てきて、空気を一気にかき乱す。
平穏な生活から一転、事件に引きずり込まれる
物語は、実業家として成功している兄と、裏社会に足を突っ込んだままの弟という兄弟関係から始まる。
距離はあるけど、完全に縁を切っているわけでもない。
そんな中で、弟が裏の世界でトラブルに巻き込まれ、拉致されてしまう。
兄は警察に頼る余裕もなく、独自に弟を救い出そうと動き始める。
ここから、過去の因縁と暴力が一気に表に出てくる。
なんとか普通に生き直そうとしていた兄
エイドリアン・グレニアーが演じる兄は、過去を隠すように堅実な人生を選んだ人物。
家族や仕事を大事にしていて、もう裏の世界とは関わりたくない。
それでも、弟が人質になったことで、避けてきた過去と向き合わされる。
覚悟を決めきれないまま、行動だけが先に進んでいく。
裏社会から抜けきれなかった弟
弟は、危ない仕事に手を出し続けてきたタイプ。
兄とは対照的に、どこか刹那的で、先のことを考えていない。
その選択の積み重ねが、今回の事件につながっている。
兄弟の距離感と価値観の違いが、話の根っこにずっとある。
予測不能で危険なギャングのボス
ニコラス・ケイジが演じるのは、完全に制御不能な犯罪者。
派手な見た目と不安定な言動で、何をするか分からない存在として描かれる。
論理より感情、計算より衝動で動くタイプで、交渉が通じる気配がない。
この男がいることで、話は一気にカオス寄りになる。
裏で糸を引く、もう一人の厄介な存在
ジョン・キューザックの役は、表向きは落ち着いて見えるが、裏では冷酷。
直接手を下すより、人を動かして状況を操るタイプ。
誰が敵で、誰が味方なのかが分かりにくくなる原因になっている。
兄弟の問題に、さらに別の思惑が絡んでくる。
救出と復讐が混ざり合っていく終盤
弟を助けることが目的だったはずなのに、次第に話は復讐寄りに傾いていく。
暴力の連鎖が止まらず、選択肢はどんどん減っていく。
誰を守るのか、何を犠牲にするのかが、かなり露骨な形で突きつけられる。
事態は、きれいには収まらない方向へ進んでいく。
最後は、兄弟の関係に一つの答えが出る
クライマックスでは、兄弟それぞれの選択がはっきりする。
過去を断ち切れたのか、それとも引きずったままなのか。
事件そのものより、人間関係の結末が印象に残る終わり方。
後味は軽くない。
この映画のポイントは、過去から逃げきれない感じ
犯罪そのものより、過去の選択が今に返ってくる構造が中心。
一度踏み込んだ世界から抜ける難しさが、ずっと漂っている。
派手さより、重たい因縁が前に出る作り。
たぶん、観終わったあと兄弟って何だろうと考える映画
血のつながりがあるからこそ、簡単に切れない関係。
助けたい気持ちと、距離を置きたい気持ちが同時に存在する。
スリラーだけど、人間関係の後味が強く残る一本かも。

コメント