※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
シャドウ・オブ・ヴァンパイア
(Shadow of the Vampire)
作品データ
2000年|アメリカ/イギリス|ドラマ/ホラー
監督:E・エリアス・マーヒッジ
出演:ジョン・マルコヴィッチ、ウィレム・デフォー、ケイリー・エルウィス ほか
映画を撮りたい監督が本物を呼んでしまう話
サイレント映画の撮影現場に、やたら雰囲気のある俳優が連れてこられる。役作りが異様に本気で、昼間を避け、妙にリアル。最初は変わり者で済んでいた違和感が、だんだん笑えない方向に転がっていく。
ざっくり全体要約
1920年代、吸血鬼映画の撮影を進める監督が、リアリティを追求するために、主演俳優として謎めいた男を起用する。撮影が進むにつれ、その俳優は演技を超えた行動を見せ始め、スタッフの間に不安が広がる。それでも監督は映画の完成を最優先し、危険を黙認して現場を動かし続ける。やがて犠牲が現実のものになり、映画と命の境目が崩れていく。
芸術至上主義の監督と不自然すぎる主演俳優
監督は映画のためなら何でもするタイプで、周囲の安全よりも画面の完成度を気にしている。主演俳優は無口で奇妙、役に入り込みすぎているようにも見えるし、そもそも人間っぽくない瞬間もある。スタッフたちはその間で振り回され、だんだん正常な判断ができなくなっていく。
撮影所から辺境のロケ地へ
物語の多くは映画撮影の現場で進み、閉鎖的な空気が続く。途中からロケ地が移動し、外界との距離がさらに広がることで、逃げ場のなさが強調される。映画のセットと現実の区別が曖昧になっていく感覚が積み重なる。
演技なのか本性なのかわからなくなる
主演俳優の行動は次第にエスカレートし、演出では説明できない事態が起き始める。スタッフが姿を消しても、監督はカメラを止めようとしない。何が起きているのか分かっていても、映画を完成させたい欲が全てを上書きしていく流れが続く。
映画は完成し、現場は壊れる
最終的に撮影は終わり、フィルムは残る。だがその裏で、取り返しのつかない犠牲が積み重なっていたことが明らかになる。スクリーンに映る完成作と、現場で起きた出来事の落差が、そのまま後味として残る。
この映画のポイントなに?
吸血鬼そのものより、映画を作る側の狂気に焦点が当たっているところが印象的。リアリティを追い求める行為が、どこまで許されるのかを、淡々と突きつけてくる構成になっている。
たぶんこんな映画
ホラーを観ているつもりが、いつの間にか制作現場の倫理を考えてしまうタイプ。怖さは派手じゃないけど、終わったあとにじわっと残る違和感が強めな一本。

コメント