※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ショコラ
(Chocolat)
作品データ
2000年|アメリカ/イギリス|ドラマ/コメディ
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、アルフレッド・モリーナ ほか
チョコレート屋が、静かな村の空気を溶かしていく話
よそ者の女性が村にチョコレート屋を開いたことで、固まっていた人間関係が少しずつ動き出す話。
ざっくり全体要約
フランスの小さな村に、ヴィアンヌと娘が流れ着くようにやって来て、チョコレート屋を開く。村は伝統や規律を大事にしていて、特に保守的な町長はその店を快く思わない。甘い香りとともに、村人たちは少しずつ店に惹かれ、それぞれが抱えていた不満や孤独が表に出てくる。さらに、川からやって来た自由な旅人ルーが加わり、村の空気はますます揺れていく。
風のように現れる店主ヴィアンヌ
ヴィアンヌは、どこかに根を下ろすことに慣れていない女性。相手の好みや気分を直感的に感じ取り、その人に合ったチョコレートを勧める。説教をするわけでも、無理に変えようとするわけでもなく、ただ甘いものを差し出すだけ。その距離感が、人の心を緩めていく。
規律で成り立つ村の世界
村は表向き穏やかで、秩序が保たれている。でもその裏では、我慢や抑圧が積み重なっている。町長は道徳と伝統を守ろうとしていて、それ自体は悪意からではない。ただ、変化を拒む姿勢が、周囲との溝を深めていく。
川から来た自由な男
ルーは、定住せずに生きてきた男で、村の価値観からは完全にはみ出している存在。軽やかで楽しそうに見えるけど、内側には孤独も抱えている。ヴィアンヌとは似たリズムを持っていて、言葉が少なくても通じ合う感じがある。
少しずつ崩れる均衡
チョコレートをきっかけに、村人たちは自分の本音に向き合い始める。抑えていた感情があふれたり、関係が変わったりして、今まで保たれていた均衡が揺れる。その変化を歓迎する人もいれば、怖がる人もいる。
甘さが残す選択
物語の終盤では、ヴィアンヌ自身も、ここに留まるのか、また風に乗るのかを考えることになる。村の人々も、それぞれの立場で何を大事にするか選ぶ場面が訪れる。すべてが完璧に解決するわけではないけど、空気は確実に変わっている。
この映画のポイントなに?
甘いものを通じて、人の心の固さや柔らかさが描かれているところが印象的。対立はあるけど、声を荒げるより、じわじわ伝わってくるタイプ。色や香りの使い方も感覚に残りやすい。
たぶんこんな映画
派手な事件は少なめで、気持ちの変化を眺める時間が長い。観ているうちに、少しだけ肩の力が抜けるかもしれない。甘いものを食べながら観たくなるような、やさしい余韻の映画っぽい。

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