※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ブレット・トレイン
(Bullet Train)
作品データ
2022年|アメリカ|アクション/コメディ
監督:デヴィッド・リーチ
出演:ブラッド・ピット、アーロン・テイラー=ジョンソン、
ブライアン・タイリー・ヘンリー、ジョーイ・キング ほか
新幹線の中で、だいたい全員不運
ブレット・トレインの舞台は、
東京発・京都行きの新幹線。
でも、
修学旅行でも出張でもない。
乗っているのは、
殺し屋、犯罪者、因縁持ちだらけ。
しかも全員、
「今日はツイてない」と思っている。
この映画、
最初から最後まで
不運の連鎖でできている。
主人公は、やる気ゼロの殺し屋
主人公レディバグ(ブラッド・ピット)は、
とにかく運が悪い。
だから最近は、
「殺しはしない」
「穏便に済ませる」
という、ゆるい方針に切り替えている。
でもその選択が、
ことごとく裏目に出る。
トランクを拾えば、
それが争奪戦の中心。
席を移動すれば、
別の因縁にぶつかる。
努力して避けた暴力に、
最短距離で巻き込まれていく。
レモンとタンジェリンが、だいたい優勝
この映画で一番人気なのが、
双子の殺し屋コンビ。
・トーマス機関車理論を語るレモン
・常識人風だけど短気なタンジェリン
二人の会話は、
くだらなくて、妙に哲学的。
「人は顔に“機関車タイプ”が出る」
という謎理論が、
意外と物語全体に絡んでくるのも面白い。
彼らはプロだけど、
情があり、ミスもする。
だから死が近くても、
なぜか憎めない。
全員の目的が、少しずつズレていく
最初はシンプルだったはずの話が、
どんどん複雑になる。
・このトランクは誰のもの?
・本当のターゲットは誰?
・そもそも依頼主は何を考えている?
視点が切り替わるたびに、
「さっきの行動、そういう意味だったの?」
と再解釈が入る。
この構造が、
新幹線という逃げ場のない一本道と
相性抜群。
日本っぽさは、だいぶ誇張されている
正直、
日本描写はリアルじゃない。
ネオン多すぎ。
ヤクザも様式美全開。
新幹線、止まりすぎ。
でもこの映画、
最初からリアリティを狙ってない。
これは
「ハリウッドが夢見た日本」
を舞台にした、
漫画的アクション。
そこを気にしすぎると、
たぶん楽しめない。
クライマックスは、カオス全振り
後半は、
ほぼ全員集合。
因縁が爆発し、
偶然が重なり、
因果応報が連鎖する。
誰かの一言が、
別の誰かの死因になる。
笑えるのに、
ちゃんと血は流れる。
このバランス感覚は、
『デッドプール』系の
軽さと暴力の同居。
これは「運命ギャグ映画」
ブレット・トレインは、
深いメッセージ映画ではない。
でも一貫しているテーマはある。
「どんなに頑張っても、
人生は思い通りにならない」
それを悲劇じゃなく、
ド派手な喜劇として描いた作品。
ブラッド・ピットも、
カッコよさより
“巻き込まれ力”全振り。
頭を空っぽにして、
テンポと会話とカオスを楽しむ。
そのくらいの距離感が、
一番ちょうどいい一本。

コメント